カリフォルニアキングスネーク。
略してカリキンは、最も多く増やされているであろうコーンスネークに次ぐ、定番のペットスネークと言えます。
初めて買う(飼う)方は、どこに売っているのか?と思いますよね。
今回はこのカリキンをどこで買うのか?(入手方法)と、飼育前に知っておきたい事をQ&A形式でざっくりとまとめてみたいと思います。
カリキンって何科なの?ペットに向いてる?
カリキンはナミヘビ科キングヘビ属に分類されるヘビです。
最大で200センチ以上にもなる個体が居る様ですが、平均すれば150センチほどの平均的なヘビです。
ナミヘビ科に属するヘビには、アオダイショウやシマヘビなど、日本の多くのヘビが該当しますが、キングヘビ属となると国内にはおりません。
キングの由来は、同族のヘビだけでなく、猛毒で知られるガラガラヘビでさえ襲って食べてしまう事から、ヘビの王と言う意味あいで付けられた様です。
キングヘビにはカリキン以外にも、フロリダキングやトウブキングなど様々な種類が居ますが、亜種間雑種も多いので、それらを全部ひっくるめてコモンキングと呼ばれ、専門家や好事家以外では区分がものすごく大雑把で、子供向けの図鑑などでは個別に記載せずに、コモンキングで済ませてしまう物もあったりします。
さてこのキングスネーク達。
キングスネーク全体をペットスネークとしての良し悪しで見ると、気難しい奴も居るし、レア物として取り扱われ高額な奴もおり、中にはペットとして向いてない物もおりますが、事、カリキンに至っては、ほぼ100点満点と言える程に飼いやすいヘビと言えます。
ペットスネーク代表のコーンにありがちな拒食も起こし辛いヘビなので、初心者がまずヘビを飼おうと思った場合、大変おすすめなペットスネークと言えるでしょう。
カリキンの入手方法!どこで買える?値段は?
カリキンは基本的に専門店で購入する事になります。
様々な品種が作られておりますが、どれも飼い方に差はありませんので、好みの子を選びましょう。
値段は?
カリキンは品種によって値段に大幅な開きがあります。
コーンと比べるとやや飼育人口が少ないので、代表的なペットスネークではあるものの、入荷が無い時はまったくありません…
ブリーダーも減少傾向にあるのか、デザートやストライプと言ったノーマルやアルビノなどの代表的な物が5000円~1万円で買える事もあれば、2万円近い時もあります。
チョコレートやゴーストと言った、元々流通に乗り難い物であれば、そこからさらに高額な品種となります。
爬虫類の値段は、流通量やサイズで変動しますが、最終的に、店主の価値観や気分次第な所もありますので、多くのショップで値段を比較してから購入しましょう。
また、初めてのヘビ飼育となった場合、あまりに小さすぎるベビー個体は避けた方が無難です。
カリキンを飼育する環境は?
カリキンを飼育する場所はどこでも構いません。
とは言え、窓際など、夏場に超高温になる様な場所や、保温器具のコードが届かない様な場所では飼えません。
食卓のど真ん中やPC机の脇だろうと、基本的に人間が快適だと思える環境であれば特に問題はありません。
保温器具も冬場に冬眠させてしまうのであれば不要ですから、飼育場所に関しては、かなり飼い主の都合に合わせる事ができる生き物です。
<動画あり>カリキンの冬眠を徹底解説!その必要性とやり方について!
カリキン飼育に必要な設備は?
カリキンはヘビ飼育に必要な最低限のセットで終生飼育が可能です。
- 個体の大きさに合わせたプラケース(最終的には大サイズ推奨)
- 水飲み
- 床材
これだけです。
水飲みは倒されにくい陶器の入れ物がお勧めです。
脱皮前など水浴びも頻繁にしますので、鳥の餌入れや陶器の灰皿などが利用しやすいです。
床材も土や爬虫類専用の物などなんでも利用可能です。キチンとマメにウンコの掃除ができるのであれば新聞紙などでも可能です。
餌は「何を」どんなタイミングでどうやってあげるの?
餌は基本的にサイズに合わせたマウスのみで終生飼育が可能です。
ベビーの頃であれば、大体ヘビの胴体より少し大きい程度のピンクマウスを、週に2~3回与えます。
1年を過ぎたヤングサイズからは週1回~2回、ファジー~フルアダルトのマウスを与える事となります。
ピンセットや菜箸でマウスの胴体を掴んで、カリキンの目の前にもって行けば、ほとんどの場合はがぶりとやってくれます。
反応しない個体や、人間にビビって逃げる個体の場合は、そのまま床に置いておけばその内食べてくれます。
1日経っても食べていない場合は破棄して、また数日後に試してみましょう。
完全に大人になってしまえば週1回でも問題ありません。
良く言われるヘビの餌は1週間に1回で良いと言うのは、この大人になった時の話ですので、子供の内からこのバランスではまともに育ちません。
また、基本的な事ですが、冷凍マウスは必ず人肌か外気温と同じ程度になるまで解凍してから与えましょう。
冗談みたいな本当の話ですが、長く爬虫類に関わっていると、必ず凍ったまま与える飼い主の話が聞こえて来ます。
人間だって冷凍食品をそのまま食べる事はありませんから、当然、爬虫類だって食べません…
(カリキンの場合は凍ったままでも噛みついて、そのまま食べかねませんが…)
あまりにも基本的な常識なので、ショップではそこまで説明されない事から、嘘の様な本当の話として伝説的に語り継がれるダメエピソードです。
ちょっとした笑い話で済むのならまだ良いのですが、恐ろしいのは、そのまま与えて放置し、表面が外気温程度まで解凍されると、食べてしまう個体が居る事です。
こうなると中身は凍ってるので、消化に甚大な問題が起きてしまい、最悪死亡します。
マウスは必ず解凍してから与えましょう!
家を空ける時、旅行に行く時とかは、預ける?家にほっとくの?←何泊までなら大丈夫?注意点
基本的には水飲みさえしっかり維持できていれば、1か月近く放置してもなんとかなります。
(良くはありませんが…)
とは言え、現実的に放置できるのは1週間ぐらいでしょうか・・・?
というのは、その頃には水も傷んでいるし、ウンコをしている可能性も高いからです。
絶食には長く耐えられますが、水分補給ができないと体調を崩してしまい、最悪死亡します。
また、ウンコを放置すると、あちこちになすりつけてしまい、病原菌が大発生する可能性もあります。
一番良いのはヘビの管理に慣れている人に預けてしまう事ですが、早々そういう人はおりません…
半端に興味があるだけで触れない様な人に預けると、かえってトラブルに繋がりかねませんので、1週間ぐらいの旅行であればそのままでも良いでしょう。
実際、1週間近くなにもすることが無い…なんて事は普段の飼育でも良くあります。
冬場に保温飼育している時は、機材のトラブルだけが不安なので、まともに起動しているかどうかだけチェックできる人が周りに居るとひと安心です。
カリフォルニアキングスネークの飼育に関しては、こちらで解説してあります。
カリフォルニアキングスネーク飼育方法!餌や寿命・病気など飼い方全般!
カリフォルニアキングスネークの基礎知識
カリキンの生息地
カリキンの生息地はカリフォルニアのみ?とは限らない罠。
カリフォルニアと銘打ってるものの、わりと生息範囲は広いです。
カリフォルニアにも居る。が正解です。
と言うのも、これは日本名。
英名ではコモンキングスネークと呼ばれています。
図鑑を見てもそんな蛇いないよ!なんて場合は大体コモンキングで記載されています。
自然下での交雑も多いので、コモンキングは複数のキングスネークやそれら交雑種を一纏めにした際の総称でもあります。
アメリカ合衆国からメキシコにかけて広く分布しており、
砂漠や森林、農耕地帯、川辺や住宅街などワリとどこにでも生息しています。
カリキンに限らず、和名は日本でしか通用しない限定的な呼称となります。
種類によっては、生息地とか学名に関係なく、習性や商品イメージだけで付けられたりしてる名称もありますので、注意が必要です。
カリキンの品種
カリキンの品種には、
デザート、バンデッド、…と、意味不明な横文字が多いんですが、
品種いっぱい夢いっぱいです! カリキンの品種はかな~り多いです。
代表的な基本の色は、
- 白黒のデザート
- 薄黄色と黒のコースタル
これが色の基本です。ノーマルの状態で既に2色あるのです。
そして模様(モルフ)
- 縦縞のストライプ
- 横縞のバンデッド
- 不規則に入り乱れたクレイジー(アベラント)
この3つが模様の基本です。
なので色彩と合わせると、実にノーマルだけで6種類もあるのです。
カリフォルニアキングスネークデザートバンデット。
と、大変長い名前の場合、白黒で横縞模様のカリキンと言う事です。
ここからアルビノやら模様の多い少ないやらでさらにややこしくなり、それぞれが品種として扱れます。
基本からして選択の幅が広い上に、ペットスネークの代表コーンスネークと並んだ定番種ですので、飼育者も専門ブリーダーも多く、毎年の様に新たな品種が誕生しております。
色彩だけでなく模様によっても呼称が変わるため、覚えるだけでも一苦労です。
ちょっと変わっているだけでショップが独自の商品名をつけてしまうので、品種名なのか商品名なのかわかりづらい事も多いです。
とは言え、
品種改良の定番アルビノや、そこからさらに発展させたラベンダー等々、非常に豊富で選択の楽しみがる蛇です。
流通している個体は、ほぼ全てが養殖された個体ですので、個人の飼育下でも簡単に繁殖します。
なので、初めての蛇飼育だとしてもアダルトサイズまで育てたペアがいれば、誰でも繁殖に挑戦できます。
カリキンのサイズ
王様の大きさ!王と言えども普通です。
サイズの方は平均的なアダルトサイズで1.2メートルから1.5メートルほど。
ものすごくがんばった固体でも2メートル程度です。
日本で良く見られるシマヘビやアオダイショウぐらいの蛇です。
あまりに普通なので、目的なく専門店に入った場合、この王様に着目する人は少ないでしょう。
他にもっと、見た目のインパクトが強い蛇がひしめいておりますので。
おいおい、
キングと言いつつ雲行きが怪しくなってきたなぁ?食性以外にどんな特徴があるの? 食性以外にこれと言った特徴はないです(きっぱり)
そしてなんでも食べると言う事は、言い変えれば完全に平民です。
食について、あーだこーだ我侭を言わないのですから。
我々日本人からしたら、毒蛇まで食べる蛇と言うのは稀有な存在ですが、蛇の食事関連では良くある事です。
同系統の亜種も多く、キングの名を冠する種類も実のトコかなり多いです。
そのキング達の中で最も悪食なのがカリキン様。食に対して大らかな庶民王なのです。
大らかすぎて想定以上に大きな獲物を飲んでしまい、消化できずに死亡!なんて事もあります。
これは蛇全般にあるトラブルなのですが、王様はなんでも襲い掛かる性質上、無理矢理食べて(消化しきれず…)やらかす可能性が高いです。
強いて言うなら、このアホな感じが特徴と言えば特徴でしょうか…
餌を与えると歓喜のあまり荒れ狂い、目測を誤った結果、
「なんでそうなるんだよぅ!」
と突っ込みたくなるアクロバットな行動をとった挙句、
目の前の餌をスルーして、自分の尻尾を食う奴とかまで居ますので…
さて、購入する事が決まれば、次は飼育方法です!
飼育方法については、こちらで解説しているので、ぜひ参考にしてくださいね! ↓
カリフォルニアキングスネーク飼育方法!餌や寿命・病気など飼い方全般!