「ヒョウモントカゲモドキ」こと
レオパードゲッコー(略してレオパ!)
彼等は爬虫類飼育の入門的存在にして、爬虫類中ではペットに最適な種類の一つです。
多くの爬虫類が要求してくる小難しい微妙な管理や、大なり小なり付いて回る危険がほとんどないにもかかわらず、爬虫類を飼っている醍醐味は おおむね満たされる。
それがレオパードゲッコーです。
とは言え、最低限の飼育準備は必要です。
今回は、その最低限の諸々について、なぜ必要なのかも合わせつつ解説してみたいと思います。
ヒョウモントカゲモドキ(レオパ)を飼育する環境は?
基本的に人間が快適だと思える環境であればどこでも飼育可能です。
私自身の都合で言えば、悪戯されたくないので理想的なのは自室となりますが、リビングなど、来客や家族が集まる場所であれば話の種にもなりますし、色々な人の目で観察されるので、飼い主とは違った目線のトラブルが見つかりやすいメリットもあります。
とは言え、冬場で保温が必要な場合は後述するフィルムヒーターだけでは心もとない場合もあるので、
なるべくエアコンが完備されている部屋などを利用した方が良いでしょう。
レオパードゲッコーの飼育や保温に必要なもの
レオパの飼育設備
設備の数自体はそう多くありません。
- 個体を収容する為のケージ
- 床材
- ウェットシェルター
- 保温用のフィルムヒーター
主な用品はこの4つです。
これに水飲みを追加する方も居ますが、ウエットシェルターや霧吹き等で代用できますので必須ではありません。
それでは用品毎に解説してみます。
- 個体を収容する為のケージ!プラケース!?
まずはこれがないと始まりません。個体を収容する為のケージです。
これは中サイズのプラケースから使用可能ですが、それでは1年もすれば手狭になってしまうので、最初から大サイズを使うのがお勧めです。
勢い余って↓特大
高さはそんなに必要ではありませんので、フラットタイプと呼ばれる高さを押さえた代わりに、底面積を広くしたタイプのケースも、大サイズのプラケと似たような値段で売られておりますので、そちらを選択した方がより飼育に適しております。
ケージはプラケでなくとも、極端に狭かったり蒸れたりする物でなければ、なにを使っても大体平気です。
安っぽい虫篭みたいなプラケースはちょっとなぁ…と言うのであれば爬虫類専用ケージを与えて、各種レイアウトに力を注ぐのも良いでしょう。
見た感じは、こんな感じ↓(これは少し狭いかも)
- 床材
床材も基本的には砂系や土系であれば、なにを使っても良いです。
お勧めは爬虫類専用の砂を使う事ですが、排便の度に砂が臭いを吸ってしまい、砂ごとウンコを片付けても微妙に臭いが残るのがネックです。
最初の数回は気になりませんが、1ヶ月もすると「おや?」と鼻に触る臭いになります。
平均40日~60日ほどで砂は全部取り替えるのが良いでしょう。
頻繁に取り替えても特に問題はないので、日数に拘らず気になったら即取り替えるスタイルでも無問題です。
人によっては新聞紙でも良いとして、ウンコの度に丸ごと取り替えている方も居ますが、水飲みから水を飲まない個体では、ケース内に霧吹きをして壁面の雫を舐め取らせる形で給水しますので、新聞紙だとケースに張り付いてしまう問題も起こります。
また、元々平らな所で生活している生き物ではないので、爪の変形に始まり酷い場合は足の変形まで起こしてしまう可能性もあります。
なので、新聞紙での長期間飼育はあまりお勧めできません。
- ウェットシェルター
基本的に乾燥を好む生き物ですが、局所的に湿った部分が必要です。
この手の乾燥系爬虫類の為に、ウエットシェルターと呼ばれる上部に水を溜められる構造の隠れ家があります。
ご大層な名前ですが、値段は精々500円~1000円程です。
このウェットシェルターは、水飲み、隠れ家、局所的な湿度維持、と値段以上の効果を発揮し見事に3役こなしますので、プラケースで飼うならばほぼ必須アイテムとなります。
ですが、レオパは水場の水を飲まない事もありますので、定期的に霧吹きもしてみましょう。
霧吹き時に必死になって壁面の水滴を舐める様なら、その固体は水場に気づいていない可能性が高いです。
↑
これはウェットシェルターの水だから気づかないのではなく、止水全般に気づかないパターンですので、水飲みを新たに設置してもあまり効果はありません。
幸い水切れにも強い生き物ですので、そういった固体であれば定期的な霧吹きを管理に加えて給水させましょう。
面倒な場合や不安な場合は、金魚等に使うエアレーションを水飲みケースに放り込み、空気で水を揺らして光を反射させると気がつく事があります。
この方法はカメレオン等が水場に気がつかない場合にも応用可能です。
ウェットシェルターの注意点として、多くは陶器で出来た割れ物ですので、一見まともに見えても細かいヒビが入っていて水を溜められない破損品があります。
水を入れて数時間で枯れるようなら間違いなく不良品ですので、購入した所に問い合わせましょう。
- フィルムヒーター
冬場の寒い時期にケースの下に敷く形で保温する、薄っぺらなヒーターです。
構造からフィルムヒーターと呼ばれるのですが、パネルヒーターとも呼ばれる物も多く、
商品毎に名前が異なりますが、ケースの下に敷けるタイプなら何でもOKです。
底面全部をカバーするように敷くと、オーバーヒートになった時に固体が逃げられませんので、最初は半分程度を敷き、様子を見て設置面積を増減させます。
いずれの場合も、熱くなったら逃げられる場所をそれなりに用意しておく事が肝心です。
サーモスタットで完全にONとOFFが切り替わるのでなく、一定の温度を放ち続ける事で保温するのがこのヒーターの特徴ですので、
フィルムヒーターの使用時はオーバーヒートを常に警戒しましょう。
それと同じぐらい保温に不安も抱えておりますが、レオパの方も賢くて、寒いと砂を掘り返してよりヒーターに近づく努力をします。
やたらと砂が掘り返されていて、そこだけ毎回底が見えている…
なんて場合は保温が行き届いていない可能性があります。
設置面の調整では全く温まらないなんて場合は、
ケースそのものを発砲スチロールに入れてしまう等の対処が必要です。
レオパを飼う際に毎日必ずすることまとめ
レオパを飼っていて毎日絶対にしなくてはいけない事は、基本的にありません。
霧吹きで水を与えるタイプの飼育方法であれば、1日1回ほど霧吹きが必要ですが、それだっておサボリしても問題ない事がほとんどです。
(流石に長期間の放置はよろしくありませんが…)
必ずしなくてはいけない事ではありませんが、せっかく飼育しているのですから、お世話する事はなくとも、毎日の観察を日課にして楽しみつつ調子の良し悪しを確認しましょう。
毎日じゃなくてもすること
餌やりと掃除は必要に応じて行う必要があります。
とは言え、ベビーで購入したのであれば、最初の1年間は毎日食べるだけ餌を与えた方が成長は早いです。
大人になってからもこのバランス感覚で餌を与え続けると途端に肥満になってしまいますから、状態に合わせて加減しましょう。
掃除はウンコをしたら取り除くのを習慣にしましょう。
放置すると床材の砂が臭いを吸い込んでしまい、ウンコをかたずけても臭いが残ってしまいます。
レオパードゲッコーの餌
彼等は完全に肉食。それも主に昆虫食のヤモリです。
フタホシコオロギやイエコオロギ、ジャンボミルワーム等が利用可能です。
コオロギの多くは自家繁殖が簡単に行えますので、100匹程購入して一部を産卵に回せばしばらくは維持できます。
問題(コオロギ)は共食いが激しいので、手を抜くと即全滅する事です。
最悪死体からダニがわんさか沸く事にもなりかねませんので、そこだけは気をつけましょう。
いや本当に…ダニバイオハザードが起こると、壁面をつたってケースから溢れ、部屋の中にまで進軍して来ますから…あいつ等…
噛み付くタイプのダニではないのでそこは一安心なのですが、気分は最悪なので。
↑(体験談)→ (T_T)/
嫌われ物の代表、黒いアイツ(ゴキ…)が平気なら、共食いも少なく安定して増え栄養価も高いデュビア(ゴキ…)がお勧めです。
餌については、こちらの記事もどうぞ! ↓
ヒョウモントカゲモドキ(レオパ)の餌の量と頻度!生き餌とサプリについて
レオパードゲッコーが病気かな?調子悪い?の判断の仕方
レオパの調子も、他の爬虫類と同じく餌食いの良し悪しが一つの判断材料になります。
お腹がいっぱいだったり、尻尾に十分な栄養があるのでイマイチ食が進まない…なんて時もありますが、尻尾がヒョロヒョロのまま長期間食べない場合は、なんらかのサインと見て間違いありません。
また、レオパの場合、栄養の偏りからクル病と呼ばれる足の変形を起こす病気にかかる事が多いです。
毎日の餌やりには気を使って、サプリの使用や様々な餌を与えるなどの対策を心掛けましょう。
レオパってお医者さんはどこ?動物病院で良いの?
レオパは爬虫類を受診できる動物病院に治療を頼む事になります。
とは言え、まだまだ爬虫類の治療ができる病院は少ないですし、なにより1度病気になると助からない事がほとんどです。
初期症状であれば簡単に治る様な病気でも、飼い主が気が付く頃には重篤な状態であることが少なくないからです。
彼等は病気を隠すのが上手いです。自然界では弱った個体から狙われるので、そうした弱みを隠す事に長けているのです。
毎日の観察を行い、早期に病気を発見するのが一番の安全策となります。
旅行に行く際は預ける?家にほっとく?←何泊までなら大丈夫?注意点
基本的には、1週間程度、家を空けても無問題な事がほとんどです。
その程度の期間であれば、飲まず食わずでも死にません。
カエルなどの両生類と違い、少々不衛生な環境でも、一時的な物であれば問題なく耐えられます。
餌切れには1か月2か月耐えられるほどに強いですが、水が飲めないと脱水症状を起こし、死亡してしまう可能性もありますので、やはり、最悪でも1週間ほどで様子をみたい所です。
身近な人に3日に1度霧吹きを頼むのも良いでしょう。
素人では床材を濡らさない程度の体感が難しいく、やり過ぎてしまう危険もあるので、明確に3回や4回など回数を決めておきましょう。
下手に弄られてしまう事で、余計なトラブルも招きかねないので、不安な場合は触らせずに放置の方が逆に安全です。
レオパードゲッコーの寿命は?
飼育下での平均は10年程度と言われておりますが、野生では天敵の存在などもありそれより少なくなる傾向にあります。
真偽は不明ですが、29年も生きたと言う記録もあります。
さすがに29年も生き続ける個体は稀でしょうが、平均寿命である10年程度は簡単に超えてくれるでしょう。
1度飼えば長い付き合いになる生き物です。
まとめ
長くなってしまいましたが、注意点を纏めると、
- 健康的な固体であれば好きな個体を選んで問題なし。
- 入れ物は固体のサイズに見合ったプラケースでOK。
- ケースに砂を敷いてウェットシェルターを入れればセット完了!?
- 冬場はフィルムヒーターの調整で乗り切ろう!
の上記4点です。
レオパはトカゲみたいな存在なのに、ヤモリなので紫外線を必要としません。
トカゲと比べると、面倒な紫外線管理をスルーできる爬虫類です。
蛇の多くも紫外線を必要としない種ばかりですが、足無しのニョロニョロはちょっと…
なんて方には、同じ爬虫類でもレオパはお勧めです。
繁殖も容易な種族なので、是非とも飼育に挑戦してみてください。
この記事が少しでもお役に立てたのなら幸いです。