カエルは人に懐くのかどうか?と聞かれた場合、懐かない。と断言できる生き物です。
ただ、ここで言う「懐かない」は、あくまで、「犬猫の様には懐かない」と言う意味での懐かないになります。
カエルは名前を覚える事も出来ないので、呼んでも来ません。
当然、おやつや餌のおねだりもなければ、だっこして~なんて要求もありません。
とは言え、飼い主の管理や調教次第では、人間の手から餌を食べたり、人が近づくとケース越しに飛び掛かって来たりはあります。
これを懐くと表現するかどうかで、人によって意見が分かれ、私の様に「連中の行動なんて大体反射ですよw」
と言ってしまう様な人間からすると、懐かない。になってしまうワケです。
生き物の懐く懐かないを語る場合、究極的な話、人にべた慣れする犬や猫が異常なのであって、どんな生き物であれ、ほとんどの場合は懐かないのが普通です。
あと、カエルの脳みそは学者先生方によれば、それなりにでかいらしいです。
脳の大きさ=知能の高さ。と言う理屈で判断するなら、カエルの頭はかなり良い。と言う事になるのでしょうが、
体の大きさに対して比較したら、大きい方。と言えば、印象も大きく変わる事でしょう。
実際、私の印象ではそこまで頭が良い生き物とは思えません。
魚よりかはマシ…程度の認識です。いや、種類によっては魚の方が利口かもしれません。
ですが、そんな人間の認識を覆す様な行動を取る種類もいます。
今回のテーマは、そんなカエルがなつくのか?そして知能や記憶力等についてです。
私は学者ではないので、専門的な考察や解説はできませんが、ネットで良く聞く話や私自身の飼育経験談等を交えて考察してみようと思います。
あくまでいちペット屋の考察ですので、飼育面の話であればともかく、行動学や身体構造学などの専門的な部分となると、トンチンカンな話だったり、見当違いの方向だったりする可能性は大いにありますので、数ある意見の中のサンプルの1つとして、こういう話もあるのかー、程度にお楽しみいただければ幸いです。
とまぁ、こんな風に冒頭から結論が出てしまうテーマではあるのですが、せっかくなので、なんで懐かないのか?
を考察しつつ、懐く(と言うより慣れる)部分に関しても解説してみようと思います。
カエルが手に抱き着いてくる!の嘘と本当。
結論から言えば、カエルが手に抱き着いてくるのは懐いたのではなく、生体上の習性です!
多くの場合、人間の手に抱き着くのはツリーフロッグです。
元々葉っぱや枝に抱き着くのが日常の種族ですから、ひしっ!とがっつり人間の指に抱き着くのは、丁度良い太さの枝だからです。
言わば、「落ちない為に必死に抱き着いている」のであって、なにも飼い主に愛嬌を振りまいてるワケではないのです…
カエルに限らず、ヤモリなどの種でもガッツリ抱き着いて来ます。
ただ、飼い主に慣れていれば、その状態から焦って逃げ出さない…と言うだけの話です。
では、枝に抱き着く習慣のないツノガエルやトノサマガエルなどの種がガッツリ抱き着いてきたら慣れているのか?と言えば、答えはノーです。
彼らの場合は、単に雄が雌の背中と間違えて抱き着いてるだけです…雌の場合はマズやりません。
特にツノガエルであれば、成人の指4本ほどが丁度雌の背中の幅に近いサイズになるので、掌に乗せるとがっつりやってきますw
カエルの雄は、とにかくチャンスがあれば雌に抱き着こうとします。やみくもです。
雌が大型のカエルであればあるほど、人間の掌の大きさが雌の背中と勘違いしやすい大きさになるのか、頻発します。
彼らの場合、雄が雄に抱き着く事も少なくないので、その場合はリリースコールと呼ばれる独特な鳴き声で、抱き着かれた雄が、自分は雄である事を証明しますが、人間の場合はそんな証明ができませんので、延々と抱き着かれる羽目になります…
ツリーフロッグにしろ地表種にしろ、けして良い状態とは言えません…
カエルの体温の仕組みとハンドリングの是非
カエルやイモリ等の両生類は、基本的にハンドリングがNGの生き物です。
そらそうでしょ!カエルちゃんは人間に掴まれて嬉しいわけないよ!!
と言う部分ももちろんありますが、そうした感情面以上に大事な事があります。
それは、彼らは厚い皮膚や鱗などを持ち合わせていないので、人間の体温がダイレクトに伝わってしまい、物理的なダメージを与える結果になる。と言う物です。
25度で飼育しているカエルを人間がいきなり掴むと、カエルの体温よりも、10度前後高い温度の物体が全身に直接降りかかる事になります。
人間で言えば、46度ほどのクッソ熱い温泉に突然放り込まれたのと同じぐらいの衝撃だと言えば想像しやすいでしょうか…
健常者でも猛烈な衝撃になりますが、老人や子供、持病がある人ならショック死してもおかしくありません。
当然、カエルでも個体によってはショック死します。
さっきまで元気だったのに、いきなり痙攣して死んだ!!なんてのは、大体コレが原因です。
カエルは、外気温=体温の変温動物なので、寒い季節であればあるほど、この衝撃は大きくなります。
夏場であればこの衝撃はかなり緩和されますので、何事もなく平気な顔をしている事も少なくありませんが、
これで油断して秋以降に同じ行動をとれば、命とりにもなりかねない危険な行為です。
カエルなどの両生類を掴む時には、ダイレクトに人間の体温が伝わりにくい手袋などを使用して掴んだ方が無難です。
そうした体の仕組みもあってか、望んで人間に抱き着くカエルはいません…
寒いから手で温めてやる! なんてのはもってのほかです。
全力で殺しにかかっている様な物です。
基本的には触れない生き物だと思いましょう!
人間の手から餌を食べる?
カエルが人間との生活に慣れれば、自然と食べます。
毎日庭先で顔を合わせる個体がいれば、ピンセットで虫を摘まんで顔の前に出すだけで食べる奴もいたりします。
多くの場合は虫をピンセットで摘まんで与える事になりますが、コオロギ等の胴体がそこそこ長い虫などでは指で摘まんだ物でも食べてくれる事は少なくありません。
ツノガエル等の大型で鋭い歯を持つ種には危なくて実行できませんが、アマガエルやモリアオガエルなどのツリーフロッグであれば、半年ほど飼えば自然と指から与える事が可能になります。
指から食べて貰うには、まずはピンセットでの給餌に馴らす必要がありますが、掌に餌を乗せて犬猫の様に与える事はできません。
上記の様に、人間の手にカエルの体が触れると物理的なダメージを負うので、手に乗らないと食べられない状況はお勧めできないと言うのもありますが、掌に乗った動かない物は、餌だと認識できない事が主な要因です。
カエルとの距離や餌の状態によっては不可能ではありませんが、いずれにしろピンセットで摘まんで与える事ができるまでに調教できれば十分でしょう…
数か月も飼えば、ほとんどのカエルが自然とピンセットから餌を食べる様になります。
↓ これはツノガエルが餌の鶏肉を食べる瞬間です。が、今までピンセット!ピンセット!と言っておきながら、この動画では箸を使っている事をお許しくださいwww
カエルに名前をつけて呼べば来る??
今回の記事作成にあたり、ネタを調べている最中に、カエルの名前を呼べば来る! なんて動画などもありましたが…
結論から言えば、私の経験上、呼んでも来る事はありませんし、名前も憶えません。
爬虫類両生類で、名前を呼んで来る可能性があるのは、精々イグアナとかモニター等の大型トカゲぐらいでしょう。
ヘビは耳が無いので仮に覚えたとしても、体の構造的に無理ですw
(空気の振動を感知できるレベルのヘビならわかりませんが…)
くだんの動画も、そんなワケないだろう…と観た所、案の定ただの反射行動でした…
棒の先などに元々居て、その棒を持ち上げれば、振動を感知して警戒し、棒伝いに手元に来る(逃げる為に移動開始する)でしょうが、それは当たり前ですw
いきなり横に飛び降りてダメージを負うよりかは、棒伝いに逃げた方が得策だからです。
声に出して名前を呼べば、音でも危険を感知するので、なおの事動く可能性は高まります。
そうした判断能力は、知能と呼ぶべきか本能と呼ぶべきか難しい所ですが…
私としては本能だろうと思っております。
どうにもならない!となったら、当然の様に飛び降りるワケですし、そもそも棒を掴んでいるのが大きな生き物(人間)と認識しているかも怪しいです。
やべぇ!なんかでっけぇ生き物がいるぅ!! と、気が付いた時に焦って飛び降りる!と言った所でしょうか…
そうした特殊なケースはさておき、日常的に共に暮らしているペットでも名前は覚えません。
カエルに限らず、多くの両生類爬虫類は、音で名前を覚える知能はないでしょう。
ただっ広いグランドに居るのに、名前を呼んだら犬みたく足元までやって来た!! なんて場合に限り、再考の余地はあると思いますが…
ペットとして飼っているカエルが、飼い主がケースに近づいて呼んだら近づいて来た!!なんてのは、反射行動なので、カエル飼育のデフォです。
一部の生き物は、餌を与える時にケースの角を叩くなどの反復行動を繰り返す事で、パブロフの犬の如く、音=餌を覚えますが、カエルは口に入る動く物=餌なので、人間の動きや生活音に対して警戒心がなくなる事はあれど、名前を憶えて来る事はありません。
上記の例で言えば、ケースの角を叩く動き、もしくはケースに寄って来た飼い主の動きに即反応して寄って来る可能性はあります。
こちらはオタマジャクシからカエルへ変体間近の様子です。
ある程度の音には慣れて無暗に動かない(逃げない)知恵はある。
ビビッて動けない様子を表す諺に「ヘビに睨まれたカエル」なんて物がありますが、生き物に携わっている人間であれば、この諺に対する意見も変わります。
ヘビに睨まれたカエルは、ビビッて「動けない」のではなく、生き延びる為の最善手として、「動かない」のです。
どんな生き物でも、大体の場合は動体視力の方が優れており、動かない物より動く物の方が捉えやすいです。
焦って動けば、見つかっていないのに見つかる事になってしまいかねません。
いわば、絶体絶命の時に動かない事こそが、生き残るための知恵と言えるでしょう。これは非常に勇気のある行動です。
我々人類に例えたら、ライオンやクマに睨まれた時に、どれだけその状況に耐えられる事でしょう…
焦って走りだせば、彼等も狩猟本能に従い、即襲い掛かって来ます。
でも、どこかで動かなければ、それはそれでタイムアップのゲームオーバーです。
ヘビに睨まれたカエルは、言わばライオンに睨まれた人類と同じ状況なのです。
そして、動く=狩猟本能を煽る。と言う構図もおそらく本能で理解しています。
元々、カエルは保護色に優れた生き物なので、カモフラージュに自信があり、動かない事で身を守れる可能性が高い事も自覚しているのでしょう。
まぁ、最も、臭いで感知するヘビにはあんまり意味がないのかもしれませんが…
土壇場まで動かないのは、なにもビビッて動けないわけではなく、あえて動かないだけなのです。
それに捕まえた直後のカエルは、色々な生活音に敏感で、ちょっとした事で逃げ惑う物ですが、
長く飼うにつれ、様々な音に慣れて行きます。
名前を学習する事はできませんが、繰り返す事で危険かそうでないかの判断はつく様になるようです。
当初は大きな音だけでなく、足音にすら怯えて跳ねまくる個体だったのが、最終的にはケースをガタゴト揺らしても平然としている…なんてレベルにまではなれます。
ただこれは、飼い主に慣れた…とも言えますし、単に危険察知能力が麻痺しただけとも言える危うい状況です。
後者の場合はもう自然界では生きていけませんので、必ず死ぬまで飼ってやりましょう…
野に帰しても危険察知ができないなんて場合は、天敵と遭遇した時点でゲームオーバーです。
カエルも個体によって色々性格があり、神経質でちょっと動かし方が違うだけでピンセットから餌を食べない子だったり、
どう考えても食べない動かし方をする人が餌をやっても、ひゃっはー!と無理矢理飛び掛かって来るアホの子まで様々なのです…
カエルの帰巣本能
カエルの名前の語源は「帰る」であると言う説もあります。
一部のカエルはその語源となっているかの如く、自分が産まれた池へと帰って来て産卵します。
モリアオガエルやヒキガエルなどは特に有名で、産まれた池が埋め立てられていても帰って来て産卵します。
どうやって産まれた池を判断しているのかは、太陽の沈む方向や池特有の臭いを覚えているからだ等、
色々検証されているようですが、種類や個性にまで絞って検証された例はあまり聞かず、未だに謎は多いです。
周囲に池があった過去はないのに、突発的に雨水の溜まった割れた水槽で産卵するヒキガエルなども目にした事がありますので、絶対に産まれた池に帰る…と言うワケではないようです。
産まれた池が埋め立てられたので、雨水が少し溜まった周囲で産卵した…なんてケースは非常に多いですが。
ここで言う帰巣本能はあくまで産まれた池に再び帰って来て産卵するだけの話なので、犬の様に飼っていた家に帰って来る事を意味する帰巣ではありません。
毎日の様に物干し竿や放置された鉄パイプの中で見かけるアマガエルが、ある日突然居なくなったけど、いつのまにかまた帰って来た!! なんて場合は、同一の個体である可能性もありますが、多くの場合、恐らく違うカエルでしょう…
そうした所は休息所として優秀なので、アマガエルに好まれますから、開いていればとりあえず占拠される事でしょう。
姿勢のメカニズム
複数の個体を飼っていると、全てのケースの個体が同じ方向を向いている事が少なくありません。
隠れ家の中から全員が飼育者の活動圏内を見つめていると「こいつら、餌が欲しいのかな??」なんて思う人は良く居ますが、これは、半分当たりで半分外れです。
カエルが隠れ家に入っている時は、怖い奴等から隠れている&隠れながら餌が通るのを待っている。の二通りの理由があります。
暗い所に隠れているのですから、明るい方を向いていた方が餌に気が付きやすいです。
なので、ケースが10個あって、そこに1匹づつカエルを飼っていたら、全員が飼育者の方を見ながら餌待ちしているのは普通の事です。
お腹が減ったからそうしてる…のみではなく、そうした方が一石二鳥で隠れながらも餌を捕れるので、効率が良いからと考えた方が自然でしょう。
最も、飼い主に慣れていなければ恐怖で外を見る事もなく、がっつり隠れ家の奥に入ってしまうので、信頼関係がある程度築けている証拠でもあります。
高度なメカニズムで歌う輪唱
近年、カエルの輪唱は、非常に高度な技術で成り立っている事が解明されました。
互いの声が重ならないように「輪唱」したり、疲れると一斉に休んだりと一定の法則性があることを、
筑波大と大阪大の研究グループが解明しました。
円滑にデータをやりとりする通信技術の開発に応用できる可能性があるとの話です。
私はアマガエルを大量に飼った事はないので、この実験が正しいのかどうかはわかりませんが、ツノガエルやヘルメットガエル等、多くのカエル達が、他の個体の声と重ならない様に鳴くのは確かです。
もちろん、最初は無遠慮に鳴く奴もいるのですが、次第に重ならなくなります。
もうずいぶん昔の話ですが、どういうわけか、当時BGMとして良く多用していたデビルマンのテーマに反応して鳴きだす1匹がおり、それに続く形でツノガエルが一斉に大合唱を起こす事がありました。
ランダムで色々な曲を再生してるのに、なぜかデビルマンのテーマのみに反応するのです…
1匹が鳴きだすと、張り合う形で他の雄も一斉に鳴きだします。
感情面の対抗意識なのか、単に本能なのか、とにかく張り合う事が多いワリにキチンと謳う順番は守りますw
カエルはなんでも口に入れる!
カエルは葉っぱが落ちてきたり、小枝が倒れたりしただけでも飛び掛かって口に入れます。
口に入れるまでは、それが餌なのかなんなのか、わからない奴がほとんどなのです…
食ってみて、味や食感で餌かどうかを判断します。
死んだ餌をピンセットで与えたのなら、咥えている段階で少し突いて、ピクピクと抵抗している様な形をとらないと吐き出す事があるのはこのためです。
こうした、餌にならない物に対して、何度も同じ間違いを繰り返す個体と、数回でこの動きは餌ではない! と憶える個体まで様々ですが、いずれにしても、動きを学習する事はあれ、見た目だけで餌かどうかの判断が付く奴はいません…
なので、犬猫の様に動かない物を皿に入れた置き餌だと、彼らの多くは毎日食べていた餌でも、餌だと認識できません。
固形飼料や配合飼料を食べるカエルでも、必ずピンセット等で動かしてやる必要があるのはこのためです。
アフリカツメガエルやピパピパなど、水棲のカエルが配合飼料を食べるのは、臭いでの判断力に優れていたり、指先に餌かどうかを判断できるセンサーが付いているからです。
こうした能力を持ったカエルは極限られた種類のみなので、基本的には、カエルは餌に対する判断力や知恵が乏しい生き物と言えます。
カエルはピンセット給餌に慣れる!
先程も少し触れましたが、カエルは長い事飼っていると、多くの個体がピンセットからの給餌に慣れ、餌を人間の手から取って食べる様になります。
ピンセットのみならず、豪胆な個体は指で摘まんだ物を食べたりもします。
これは、ピンセットに慣れたのではなく、飼い主に慣れたと言うのが大きいです。
生活音や動きに慣れた事で警戒心が薄れて、動く物=餌の判断から目の前に来た物にとりあえず飛び掛かった所、餌だった。の流れで慣れていきます。
最初はピンセットや、突然近づいて来た人間の腕を恐れて食べませんが、コオロギ等の足のみを掴んで、ある程度自力で虫がもがく様にしむけると慣れやすいです。
慣れてしまえば、完全に死んだ虫や配合飼料でも問題なく食べます。
ここで重要なのは、ピンセットに慣れたと言うのもあるけど、主なウエイトは飼い主そのものに慣れたと言う点、
飼い主に慣れている個体だと、初めてのピンセット給餌でも難なく食べる個体は少なくありません。
反面、べた慣れした個体に飼い主以外がピンセットで与えても、食べない事はままあります。
これは、ご主人様以外からは受け取らぬ!! と言う忠義の姿勢ではなく、動かし方が違うので餌だと認識できないだけだったり、単に普段から見慣れている人間と動きや服装がチガウから警戒しているだけなのがほとんどです。
飼い主の動きを学習する知恵がある一方で、本能のままに従っている部分も多く、知性を語る部分なのかどうか、判断は人それぞれになりそうです…
食えるサイズなら蛇だって食う!
ショッキング映像として、ヘビを食べるカエルの画像は色々ありますが、多くの人が思っている通り、カエルは基本的にはヘビに食われる立場です。
なので、逆にカエルがヘビを食べる!と聞かされたら、驚く人は多いと思いますが、カエルはヘビに限らず、口に
入るサイズの動く物であれば、なんでも飛び掛かって捕食します。
イエアメガエルに食べられる小さめのヘビ
カエルはヘビどころか、同族や親兄弟だって食います。
人間の手だろうが、ヘビだろうが、喰えると思ったら最後、容赦なく食いつきます…
基本的には、アダルトサイズのヘビはカエルが飲み込めるサイズではないので、食われるのはカエルの方ですが、産まれたばかりのベビーサイズのヘビでは立場が逆転します。
大型のカエルにとっては子供サイズのヘビなんて、精々、ちょっと大型のミミズ程度の感覚です。
問題なく食す事でしょう…
捕食してハチに刺されたカエルは、二度とハチを襲わない!?
動く物はとりあえず食ってみて判断する。と言う手前、喰った時には手酷い反撃に合う事もあります。
カエルの知能を語る上での有名な話に、1度ハチに刺されたカエルは、2度とハチを襲わないと言う物があります。
食べたハチの種類のみならず、同系統の動きや色彩をしている連中、全てに対して反応が著しく下がります。
カエルの危機回避学習力は結構な物なので、飼育しているとハチ以外でも、食べて嫌な目にあった物や、日常的にストレスを負わされた生き物に対しては、餌だと認識しなくなる事が多いです。
この場合も、多くは「動き」を学習している様なので、生きたコオロギに胃袋を噛まれて吐き出して以来、二度と食べなくなったなんて場合は、コオロギを潰してピンセットで与えると食べる場合もあります。
もちろん、味でも記憶しているので、酷い目にあった個体だと、食いついた後にしかめっ面して慌てて吐き出したりもします…
この辺りも個体差があり、キチンと学習する個体とそうでない個体が居ます。
とは言え、学習力の差なのか単に性格の差なのか、その辺りまではなかなか判断がつきませんが…
カエルの消化機能
多くの場合、カエルはオタマから変態した直後のチビ助時代の方が消化能力が高いです。
小さければ小さい程命の危険が高まりますので、良く食べて早く大きくなる必要があるからです。
こうした流れは多くの生き物に当てはまりますが、カエルの中でも特に顕著なのは、日々の餌が運次第になってしまう待ち伏せ型のカエルです。
そのためか、大きくなるに連れ、少ない餌でも生きられる様になり、極端に餌食いが落ちたりするのも、ツノガエル等の待ち伏せ型では良くある事です。
反面、歩き周って餌を探す、アマガエルやアオガエル類では、子供と大人で消化力に大きな差が見られません。
ツリーフロッグは、お腹がいっぱいになれば自然と餌食いが落ちますが、待ち伏せ型の連中はある時食いが基本なので、あればあるだけ、限界まで食べようとします。
消化機能が落ちて来るアダルトサイズであればある程度の自重を覚えますが、子供の時ほど自重を知らないのは人間もカエルも同じようです…
また、温度が低すぎたり、高すぎたりしても消化に影響がでます。
胃袋反転の荒業
カエルは消化できない物を飲み込んだ時や、消化不良を起こした時に、胃袋を反転させて(脱腸の胃袋版)飲み込んだ物を吐き出す事ができます。
その時、反転した胃袋を手で洗ったりする種類もいます。
ただ、ペットのカエルがここまでの事態に陥った場合、ほぼ助からない末期な事も多いです。
獲物を飲み込んで吐き出す時には、かなりの体力を使います。また、吐き出しきれなかったカスが残ると、それが胃の中で腐り、敢無き最後をとげます。
反転した胃袋を戻す事ができない場合もあり、口の中には引っ込めたものの、正しく戻せず、延々口の中に残っている事もあります。
こうなるとうっ血してますます戻らなくなり、早々に死にます。
カエルは消化不良に対して非常に脆く、消化不良を起こすとかなりの早さで死ぬ生き物です。
あまりの早さで死ぬので、食中毒と言い換えても良いかもしれません。
餌をゲロった場合、かなり危険な状況と言えるでしょう…
まとめ
カエルが人になつくのか?そしてカエルの知能や記憶力についてはこんな所でしょうか?
植物にだって感情があることが研究により判明しておりますので、カエルにも感情面があるにはあるのでしょうが、どこで使われているのかちょっと分かり辛いです…
餌の美味い不味いによる喜びや悲しみは、あるんだか無いんだかわかりませんし、悲しいや寂しい…と言う感情も見受けられません。
野生下にしろ飼育下にしろ、私の感覚では、精々、怖いと言った感情のみが窺い知れます。
知能に関しても、人や種類、個体によって大きく判断が変わる事でしょう。
産まれた池へと帰る帰巣本能の様に人間の能力以上の事をなす反面、現場に水が無くなってるのに無理矢理産んでしまう様なお馬鹿さも兼ねていますし、ハチに刺されたりして痛い目にあっても、学習しないお馬鹿はいます。
私からしたら、カエルの行動のほとんどが、本能や反射で片付けられてしまうものばかりですが、人によっては頭が良い!学習できている!!となる事でしょう。
カエルの頭が良いか悪いか…それは人それぞれの判断となりそうです。
それにカエルは懐くのではなく、慣れるや馴らすと言った形容詞を使った方が良い生き物と言えます。
精々、餌を手渡しできる程度にしかなりませんから、もしも小動物を手乗りにしたいのであるのなら、ハムスターやマウスを飼う事をお勧めします。
連中は哺乳類と言う事もあってか、体のサイズが小さいワリにかなりの知性を感じさせる行動をとります。
爬虫類や両生類はでかいだけでそういう知性に乏しく、スキンシップができる種類も極々一握りで、そうした種類でさえ望んでしているとは思えない物ばかりです。
彼らの飼育の楽しみの大部分は、観察になりますから、飼育スタンスとしては熱帯魚の様な物になります。
特にカエルはその傾向が強い生き物となりますので、無暗に触ったり、過度な懐きを期待すると辛い結果になる事でしょう…
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