爬虫類や両生類は、犬や猫と比べた場合、管理の手間や面倒な部分があるものの、餌代はあまりかかりません。
肉食で動物性の餌を食べる物がほとんどなので、1度の餌の量や頻度が少なく燃費が良いからです。
そうは言っても、数が増えれば相応に出て行くものは出て行きます。
今回はそんな、我が家での彼らの餌代、光熱費などの管理費用、お勧めの仕入先や与えるペースなどを、ざっくり解説してみようと思います。
(我が家は完全に自宅の自室を営業所としている為に、個人的な部分と業者的な部分、双方が混じっております…)
カエル・蛇・トカゲ達の餌を買いに行く先(仕入れ先一覧)
我が家では既に、ほとんどの餌を自給自足で補っている為、現状利用している店ではなく、あくまでお勧めのお店一覧となります。
店主自らが外国のイベントに出かけて直接仕入れる事もあり、レア物や変わり物について直接相談する事も可能です。
過去の販売ログも残っているので、半端な図鑑サイトより高密度で詳細な生態の紹介も確認できるので、資料サイトとしても高レベルです。
餌の仕入先と言うよりは、趣味で利用していた所ですw
今いる各種カリキンなどのヘビを購入する時には、大変お世話になりました。
今ではこんな奴いるのか…今度繁殖に挑戦してみようかなぁ?? といった新規の種類や品種を探す時などにも助かっております…
ブランドとして成り立っている為か、ほかの場所で売られているツノガエルよりは少々割高ですが、死亡到着保証も完備しており、万が一の時には安心の対応をとってくれます。
(メールで相談すれば、飼育上のトラブルなどのアフターケアにも応じて貰えます)
オークション等で見かける安い個体と比べると、明らかに個体の仕上げが違うため、初めてツノガエルを飼う時にはお勧めです。
あくまでざっくりしたものですが、ある程度なら個体のリクエストにも応じてくれます。
(在庫の中からなるべく青味の強い子が欲しい!等のアバウトな感じなら大体OKしてくれます)
家の個体達も、元を辿ればニュアンスの系統である子も多いです。
(血筋はあんまり気にせずに、もう何十年も生産してるので、純粋なニュアンス系はたぶんもう家にはいませんが…)
ほかのマウスと比べて高いですが、その分、衛生面、管理面が徹底していて、品質が非常に良いです。
餌は健康維持の土台です。
マウスは劣悪な環境で増やされがちですから、安かろう悪かろうになりがちです…
汚い所で育ったマウスは、冷凍しただけでは殺菌が追い付かない強い雑菌に汚染されている事もあり得ます。
大事な個体を末永く飼いたい場合は、こうしたキチンとしている衛生管理が行き届いた所から購入するのがお勧めです。
マウスに限らず、コオロギなど他の餌も購入できます。
爬虫類用の餌として、コオロギ需要が起こった頃以前から経営している、餌コオロギの老舗です。
品薄になりがちなサイズでも、それなりに安定して在庫があるので、お勧めです。
(ちなみに餌用コオロギを繁殖した動画はこちら)
こうしたオークションも心強いです。
クオリティに関係なく、とにかく安いものが欲しい時や、必要サイズが検索してもなかなか売られていない時などには利用してみましょう。
餌のみならず、レアな両生類が専門店の半分以下の値段で落札される事もあり、個体の値段だけで言えばお得な事も多いです。
反面、扱い方を知らない素人の里親探しだったり、死亡到着保証がなかったり、そもそも生態の発送方法を間違えていたり、
生体の状態すら把握できていない…なんて販売者が本当に多いです…
冷凍餌なら概ね安心できますが、生体の購入は販売者の評価を見て慎重に判断した方が無難です…
余談ですが、死亡到着保証なしと書かれていても、死亡到着の時には、まずは連絡を!と書かれている人は大体対応してくれます。
とは言え、契約上は死亡到着保証なしなので、してもらえないからとゴネるのはやめておきましょう…
あくまで善意でしてもらう形なので、ゴネたり態度が悪いと、してもらえない可能性が高まりますw
カエル・蛇・トカゲ達の餌代(毎日~半年単位)
1.カエルの毎月の餌代
【パックマンフード】
我が家で主に増やしているのはツノガエルです。
(ツノガエルでなくとも、ツノガエルの餌で代用可能な種がほとんどです)
既に人工繁殖が進んだカテゴリで、万能餌も開発されている事から、パックマンフードを半年に1回ぐらいのペースで、10キロ~20キロ仕入れております。
カエルの餌としては割とお高い物なので、まとめてキロ単位を買えば、数万円はかかります…
今では専門店だけでなく、アマゾンなどでも各サイズを購入できるので、ツノガエルに系には特にお勧めです。
【アカムシ】
アカムシはツノガエルのオタマ時代に使用します。
大よそですが、通常生産であれば1日で1キロ以上を消費する餌のピークが14日ほど続きますので、孵化~上陸までにはかなりの餌代となります。
我が家の冷凍庫の容量は50キロもないので、マウスや他の備品分を合わせると、1度に購入できる量は20キロが限界です…
年々値上がりが続き、繁殖を始めた当初は送料や各種割引を合わせて1枚50円ほどだったものが、現在では1枚80円以上になっております…
(1日おおよそ800円)
オタマの数次第で1回の消費量にはかなりの差がでますが、平均して1か月(上陸まで)で、20キロは使い切ってしまい、場合によっては追加が必要になります…
それでも全く足りておらず、餌を捕りそこなった者や栄養吸収効率の悪い小さな個体は、バンバン大きな奴に食われていきますw
強くて健康的な個体しか売りに出せないと言う意味では、品質が自動で良くなる為に良い反面、カエルは薄利多売で稼ぐビジネスモデルなので、生産量が低い時でも変わらない共食い率は、涙物の案件です…
(どんな状況でどんだけ餌を与えても共食いはあります…)
2.蛇の毎月の餌代
ヘビの餌は、我が家ではカリキン等のナミヘビ科しかいない為に、マウスオンリーです。
(現在、生産ラインから外れた功労ヘビしかおらず、精々10匹程度しかいません…)
そのマウスも自家繁殖しているので、マウス自体の値段は0円です…マウスを管理する為の床材代や餌代は後述します。
3.トカゲの毎月の餌代
現在トカゲ系は飼っていないので、実質0円ですが、トカゲのメイン餌となるコオロギやデュビアは、トカゲを飼っていた時の名残で未だに自家繁殖が続いております…
餌自体がほぼペットと化してる状態ですが、こちらも餌の餌代として後述します。
4.その他の種の餌代、光熱費
【コオロギの餌代】
おおよそ半年分で、2,000円~4,000円です。
我が家では家庭菜園以上、農家以下の規模で畑もやって居る為、屑野菜が多い時などは、それらを与える為に餌代が必要ない時も多々あります。
上記は、基本となるコオロギフードの値段ですが、コオロギはなんでも食べるので、金魚の餌(ヘルメットガエル等の植物食オタマが産まれた時に使う)が余った時なども放り込んでいる為、年間の多くを、あまりもので済ませた値段となります…
管理しているコオロギの数は、大よそ1,000匹~2,000匹前後です。
(正確には数えていないので、それ以上いるかもしれませんw)
【デュビアの餌代】
こちらは野菜くずで補っている為、ほぼ0円です。
現在は野菜くずが無い時は餌を与えて居ません…
ゴキブリなのでしぶとく、1週間以上餌を与えなくても死なない為、大変重宝しておりますw
メインの餌として与える場合は、中身がスカスカで栄養のない個体になってしまう為NGですが、現在我が家ではデュビアの餌としての役割は止まっており、次の世代を残す為だけに管理している状態です…
最初に仕入れた時は、もう20年以上前でしょうか?
まだまだ餌昆虫としては高い時代だったので、僅かに30匹仕入れただけのお試しでしたが、今では常時500匹~1,000匹は居る大所帯です。(祖先を辿ればその30匹の誰かになりますw)
餌としてキチンと消費していた時は、野菜くずに加えて、ドッグフードや果物、コオロギフードなどを与えて居たので、月に1,000円程度は餌代がかかっておりました。
【マウスの餌代】
マウスにはドッグフード+鳩の餌を与えています。
鳩の餌は4キロで1千円程度の物、ドッグフードはペットの犬が残した物や、アマゾンで2,000円以上購入で注文可。と書かれてる安くて量の多い物(大体1,000円以下で1.5キロ~2キロ入ってる物)を購入しますw
(ドッグフードは動物性タンパク質を補えれば良いだけの補助食品なので、品質には拘りませんw)
生産のラッシュ時には1週間で2,000円程度、10匹程度しかキープしていない時は1か月2、000円程度と、餌代はマウスのストック量でかなりムラがあります…
餌代のほかに床材用の猫砂やかんな屑、チモシーなども利用する為、管理費用にはその分の価格も加わります。
(カンナ屑は近所の大工さんから無料で、猫砂やチモシーは安くて量が多い物を通販や100円ショップで購入します)
維持費用は、トータルで年間5万円程度を目安としていますが…平気で超えてきますw
ぶっちゃけ、ヘビ10匹の為に維持していると考えた場合、非常に高い買い物です…
必要に応じて、冷凍マウスを毎回注文した方が確実に安上がりです。
マウスに関しては、生きている物を入手し辛い為、しかたなく継続している面が大きいです。
(一時期、全く見かけなかった餌用活マウスですが、今ではチラホラ見かけます)
様々なサイズが常時居るので、今このサイズが欲しい!って時に直ぐ使えるのは大きなメリットですが、それでもヘビの生産が止まった今では、コスパに見合いません^^;
(ジムグリなどは生きているピンクにしか反応しない奴がいるので、そういう面でも有用ですが…)
また、父親の友人などにもヘビを飼っている人がいるので、増えすぎた時には無料でおすそ分けしております…。
【電気代】
夏場はおおよそ2万前後、冬場は暖房がフル稼働なので、3万~4万ほどかかります。
【水道代】
オタマが産まれている月は2万前後となります。
※飼育場も店舗も分かれていない、完全に個人宅の経営なので、どちらも家の通常使用と合わせた金額となります。
余談ですが、自宅と店舗が同じ自営業で生じた経費は、自宅分の光熱費も税金の申告時に合算して申請できます。
(まぁ、消費の詳細が分からないので、当然と言えば当然ですがw)
カエル・蛇・トカゲ達の餌を与えるペース
【カエル】
おおよそですが、生産を意識している個体は3日に1回。
ベビーは1日おきに1回。
ヤング~アダルト手前は3日~5日に1回ほど、アダルトサイズには10日に1回ほどです。
とまぁ、メインでやってるカエルが数も各世代も一番多いので、毎日誰かしらに食べさせています…
【ヘビ】
生産から外れた個体が僅かに10匹程度なので、7日~10日に1回マウス1匹を与えて居ます。
生産時には春先に4日~5日に1度、やや小さめの物をコンスタントに与えておりました。
それ以外の時期は今と同じ分量です。
コスパ的にはヘビが最強ですね…
現物確認が義務付けられた今では通販が実質不能で、店舗としては動いていない私のような趣味の延長経営者では売り難くなりましたが…
【トカゲ】
トカゲ類は現在飼育していませんが、ストック時には3日に1度、数匹を与える事となります。
(ベビーであれば毎日)
【マウス】
マウスは毎日、朝と夕方に給餌します。
数が多くて餌の消費が激しい時には、昼の給餌も必要になります…
本当にコスパが合わない連中です…(餌としては大変優秀ですがw)
【コオロギ】
コオロギも数が多いので、1日1回~数回、給餌が必要になります。
野菜くずや果物のくずがある時には1日1回で済みますが、なにもなくなると途端に共食いの嵐になる凶悪な連中です。
マウスの様に、死者が出ると衛生面コスト面での被害が大きくなる物と比べたら、死んでも他個体の餌になる上に、元々そういう生態を持つ生き物なので、心理的敗北感は薄いですが、死に過ぎるとダニが湧く為、怖いです…
【デュビア】
デュビアには不定期給餌です。
概ね、3日に1回程度ですが、長い時には2週間近く間が開く事もあります。
ゴキブリの為、気を抜いてもほとんど共食いしないし、安定して増えるので重宝しています。
消費量が多い時には生産が追い付かない時もありましたが、今では完全にペットです…
まとめ
我が家の餌事情に関してはこんな所でしょうか?
あくまで個人経営の無店舗型運営な為に、キチンとお店を持っての営業となると、手間暇や経費はもっと跳ね上がります…
爬虫類専門店は良く潰れます。
それは経費と儲けが釣り合わずに、破綻する事が多いからです…
昔から続いてる大御所や総合ペットショップならいざ知らず、通販が実質不可能な現在は、店舗をもっての経営が非常に厳しいと言わざるを得ません…
元々ニッチで需要が無い為、地域密着型ではほとんど利益が出ません…
また、店舗型となると、客の相手をしていたら動物の世話ができないので、個人経営であってもスタッフを雇う事にもなります。
大して儲けのない中で、人件費が発生するのです…
厳しい中で多くの小さなショップがネット通販に活路を見出した事で一時期盛り返しましたが、現物確認が義務付けられた事で、個人店、個人ブリーダーは再び苦境に立たされてしまいました…
悪徳業者が不良品を売りつけたり、一部のお馬鹿さんが、彼方此方に生体を捨てたのが法律ができた主因とされておりますが、本当の所はわかりません…
実際にそうした事件はごく一部に過ぎず、当事者の身としては、インパクトだけが大きいので話が盛られてしまった感が強い気がします…
この大ネット社会で不良品なんて売りつけた挙句に塩対応したら、あっという間に拡散して店即潰れますよww
なので、どちらかと言えば、この法律施行の根幹部分には政治家の人気取りがあったような気がしなくもありません…
(こちらも本当の所はわかりませんが…)
今では業者しか出店していない各種爬虫類イベントなども、一昔前は、同人誌即売会の様に個人での参加も多く、今とは全く違う賑わいのあるものでした…
私の様に無店舗型の経営でも、家族に餌の管理を丸投げする事は多々ありますw
(流石に生体の管理は任せられませんが…)
もしもこれから爬虫類、両生類のお店を開きたい!なんて時には、費用対効果に加えて、爬虫類両生類の置かれた実情を、よぉ~く考えてからの方が良いでしょう。
趣味でやってる時が、一番楽しいのですから…
(ただでさえペット業界は、一部の声が大きい「自称・動物の事わかってる人達」から叩かれがちですしw)
この記事が少しでもお役に立てたのなら幸いです。
爬虫類ペットショップ開業への第一歩!動物取扱業登録に必要な6つの書類!
爬虫類ペット屋開業への最短ルート!家庭動物管理士3級取得(旧家庭動物販売士)への道