ペットとして適した爬虫類の中には、繁殖が容易で品種改良が盛んに行われている種類がいくつかあります。
その中の一つ、それもかなり上位に君臨するのがレオパです。
ヒョウモントカゲモドキ(レオパゲッコー)
略してレオパ
アルビノ等の定番変異に加え、いくつもの変異を組み合わせたコンボ品種なども定番化し、さらにそれ等がまた組み合わさると言う枝分かれが繰り返され、定着。
おまけに他種であれば、ちょっと違う程度で済まされる個体差的な変異でも名前が付けられてしまうので、レオパの玄人でなければ、コンボを説明されてもなにを言ってるのかわからない事もしばしばです。
私も基本的な物ぐらいしか飼った事がなく、コンボ品種に関しては完全に理解しているとは言い難いです。
そこで今回は、とりあえず知っておけば玄人のウンチク話の入り口辺りぐらいまでなら付いて行ける(かもしれない?)良く見かける定番品種に絞って紹介したいと思います。
レオパの種類
品種改良が誰でも楽しめる!
ヒョウモントカゲモドキこと、レオパードゲッコーの定番品種のご紹介!
ノーマル
まずは基本種!ドノーマル!!ですが同じ模様の個体は1匹としておりません。
ノーマルはなんの遺伝子変異も無い。野生下にいる状態と同じ物です。
ですが、レオパの野生固体はまず出回らないので、意外と出会う機会は少ないです。
養殖物でも野生固体と似た模様を残した物は、ファスキオラータと呼び分けられる事もあるようです。
ノーマルの癖に呼びわけられるとか、基本からしてややこしいですね。
こちらはヒョウモンの名の通り、全身に豹柄模様があり同じ個体は1匹としておりません。
爬虫類の模様は生涯変わらないので、複数飼っていた場合、他に身体的特徴が無い限りはこの多寡で個体を識別する事になります。
また、どの品種にも言える事ですが、これだけ増やされていると、品種名とは別に遺伝子的に他の因子をもっていたりするのがザラです。
品種名の後に○○ヘテロ等の記述があれば、該当の因子をもった個体を指します。
ヘテロの記述は高額な品種ですと表記される事も多いのですが、ノーマルやアルビノなどの量産型には記述がない事が普通ですので、繁殖を意識した購入であれば、ショップに確認してみましょう。
ハイイエロー
黄色くする方向性!ハイイエロー
今となってはこちらがノーマルとも言えなくも無い程の流通量のあり、レオパの中でも安価な品種です。
その名の通り黄色を強調した品種です。
模様がノーマルより少なくなる傾向にありますので、結果として黄色の面積が増えておりますが、全く無くなるワケではないので、不規則で半端にある模様は汚れに見えなくもありません…
アルビノ
品種改良の定番アルビノ
当然レオパにも定着しております!
これだけ増やされている種類ですので、当然定番のアルビノもおります。
ハイイエローと同じく、最早ノーマルと言える程の流通量で値段も一番安い部類になります。
真っ白や真っ黄色と言うわけでもなく、極薄い茶色の模様の痕跡などもあり、一般的なアルビノのイメージより、少し小汚いアダルトになります。
レオパに限らず、アルビノ全般の特徴として視力の低下があります。
飼育上のマイナスになるほどのトラブルではありませんが、給餌の際に餌を認識できない可能性がある事を覚えておきましょう。
元々動かない物は餌として認識しない事が多い生き物ですので、特に動きの少ない半死状態の餌は見逃してしまうケースがあります。
リューシスティック
白くする方向性!リューシスティック!?
リューシは多くの場合、アルビノとは別の白い個体を指す品種名ですが、レオパの場合は模様のない個体(パターンレス)を指す個体の品種名として使われております。
現在ではより白いブリザードが開発されてしまったので、製作者の名前から取りマーフィーパターンレスと呼ばれる事もあるようです。
イメージ的には、ハイイエローのイエローが薄くなり模様が無くなった奴です。
ブリザード
白くする方向性の完成型!ブリザード
リューシを改良して黄色味を減らし、より白い個体へと近づけたのがブリザードです。
真っ白になるので、比較的人気も高いです。
ただ、飼育温度が低いとアダルトになったらなんだか透明感のある暗色になってしまった…なんて場合もあります。
色合いの美しさを維持できるかどうかは飼育者の腕にかかっておりますので、そういう意味では他より難易度が上がります。(暗色は暗色で独特の美しさがありますが)
さらにこれがアルビノ化すると、ブレイジングブリザードと名前を変え、目つきの悪さと白さに磨きがかかります。
ハイポタンジェリン
オレンジ色のあんちくしょう!?ハイポタンジェリン
模様が顎先と尾先に残る程度で、ほぼパターンレスと化したボディにオレンジ色を強調する形で改良された品種です。
中にはオレンジではなくほぼ黄色の個体もおり、非常に個体のクオリティに差がある品種です。
出始めた当初からしばらく、他品種作出の基盤として人気を博し、そこそこの高値安定品種でしたが、使われる事が多くなった現在は、値段の方もかなり落ち着いた定番品種となりました。
余談ですが、ハイポは黒い色素が減少した物を指す名称ですが、ハイポと言いつつ模様の黒さがそれなりに残っている個体もいます。
サングロー
オレンジ型の到達点にして新たな基盤!サングロー
アルビノのタンジェリンで、模様が完全に消失した物をサングローと呼びます。
模様が無いアルビノの癖にオレンジ色を強調したおかげで、アダルトになると腐りかけのミカンとか、日焼けした肌ような個体に育ちます。
好きな人にはたまらない色合いですが、品種としての完成度とは別に好き嫌いの評価は分かれるようです。
ブラックパール
真っ黒くろ助!とまでは行かないけど、かなりの黒い奴!ブラックパール
黒くする方向性の品種です。模様と地色が完全に一体化しているわけではないので、べったりした全身真っ黒ではありませんが、その分まだまだ改良の余地を残した品種です。
↑
その為、レオパとしてはかなり高額な部類です。
マックスノー
模様を残したまま白くすると言う方向性!マックスノー
地色が非常に白味が強く、ブリザードと違い模様を残しておりますので、白と黒の葬式カラーで非常にメリハリのある色彩の品種です。
こちらも登場したばかりの頃は、高値安定の品種でしたが、現在では手を出しやすい価格まで落ち込み、一般的になりました。
色合いの美しさも人気の一つですが、様々な品種を作り出す基盤の一つとしてブリーダーにも重宝される品種です。
スーパーマックスノー
ある種の極みの一つ!スーパーマックスノー!
マックスノー同士を掛け合わせると誕生する可能性がある品種です。
スーパーとの名に恥じないぐらい美しい品種の一つです。
より模様がきめ細かくなり、全体的にごま塩のダルメシアンボディになります。
また、目玉が真っ黒になるので、愛らしさが増し、非常に人気の高い品種です。
トレンパージャイアント
でかい奴!トレンパージャイアント
図体をでかくすると言う方向性の品種が、このトレンパージャイアントです。
もりもり餌を与えれば、他のレオパのマックスサイズより遥かに巨大な図体に育ちます。
さて、品種名のジャイアントはわかるけど、トレンパーってなんぞ?と思われる方も居ることでしょう。
↑
これは最初に作出した、ロン・トレンパー氏から取られた名前です。
氏の名前は専門誌等での知名度も高く、ヒョウモンの父として紹介される程。
トレンパー氏の名前は既にブランドとして定着しており、この品種以外でもトレンパー氏が増やしたレオパはそれだけで評価され、トレンパーCBの個体として明記され販売されております。
まとめ
レオパの種類いかがだったでしょうか?
今回紹介したこれらの品種は、改良の基礎となる品種です。
さらに言えば、目や模様の変異を極力省いた、色合いの変異に絞った品種達です。
これらを組み合わせ、さらにその組み合わさった物がさらに組み合わさり、レオパの品種は年々増え続けております。
エニグマとかラプターとかエメリンとか、名前からでは現物を想像できない品種名も多く、その方向性も多岐に及びます。
なにしろ爬虫類にのめり込む人達というのは、私を含め、多かれ少なかれ中二病を患っているので、無駄に小洒落た横文字を使いがちです。
とは言え、小難しい品種名はともかく、種類の多さは選べる楽しみの多さでもあります。
繁殖も容易ですので、オリジナルや希少品種の作出に挑戦してみるのも、飼育の良い目標になります。
是非とも理想のレオパを見つけ出し、飼育にチャレンジしてみてください。