爬虫類の餌で使われるゴキブリ・・・
デュビアとレッドローチ(略してレッチ)は死に辛く増え易い!
おまけに管理も楽で栄養価も高い!
そんな理想の餌昆虫です。
彼等は、飼育下における爬虫類&両生類にとっての良い餌であると同時に、飼い主にとっても大変都合の良い餌昆虫です。
そこで今回は、(ゴキブリ=デュビアとレッドローチ)彼等の長所短所を含めた維持管理方法をご紹介したいと思います。
多くの長所をご紹介する前に、まずは圧倒的な短所のご説明
デュビアとレッドローチの短所
画像引用元:https://en.wikipedia.org/wiki
デュビア&レッチ。
彼等を餌として使う場合、かなり多くの長所があります。
ですが、後述する様々な長所はひとまず置いておき、まずは絶対に覆す事のできない圧倒的短所をご説明しなければなりません。
この短所を受け入れられる人でなければ、ここから先の話は無用の長物となります。
彼等の圧倒的な短所…それは、人類種の天敵と言っても過言ではない…
『ゴキブリ』であると言う事です!! オーマイガー!!
飼育方法とか管理方法ではどうにもならない、存在としての絶対覆せない短所です。
どれだけ多くの長所を語ろうと、存在的に駄目なんだから無理!?と言う人が多数だと思います。
爬虫類や両生類が子供の頃から好きな方、所謂マニアであれば自然に受け入れられる事も多いですが、大人になって興味をもった場合、拒否反応は至極当然です。
誰だって絶対無理な物はあります。
かく言う私も、タランチュラだろうとサソリだろうと平気ですが、アシダカグモ系だけは駄目です。
画像引用元:https://ja.wikipedia.org/wiki
総じて蜘蛛類は好きではないですが、中でもあの形状の奴等だけがどうにも受け付けないのです。
(形状的理由によりウデムシもNG)
アシダカグモ系は、ゴキを好んで食べるので、軍曹と呼ばれ英雄視される益虫ですが、私にとっては見つけたら絶対に倒さなくてはならない宿敵です。
仮にアシダカが爬虫類の餌として最適だと言われても、私には絶対に扱えないでしょう…
箱の中にうじゃうじゃいるアシダカを想像しただけで、SAN値MAX!正気ではいられません。
なので、ゴキを見てパニックになる人の心理も理解できるのです。
まずはこの大前提、大量のゴキを扱うと言う圧倒的な心理負荷に堪えられるかどうか。
それが彼等を扱う上で、最初の問題にして最大の難関になります。
さて、最大の難関を乗り越えたのなら、正直、後はなんの問題もございません。
デュビア&レッチの生態や生息地など
デュビア&レッチのプロフィール?を一言で表すなら外国のゴキです!で、終わってしまいます…
…では、簡単過ぎるので、
生態を含め、順を追ってご紹介したいと思います。
生息地
デュビアの英名はアルゼンチンフォレストコックローチ。
アルゼンチンの森に居るゴキブリと言う意味ですが、中米から南米にかけて広く分布しております。
デュビアとの呼称は、学名の「Blaptica dubia」かららしいです。
対してレッチは中央アジア、アフリカ北部、北アメリカなどに生息する赤いゴキです。
デュビアより日本のゴキブリに近い格好をしています。
サイズ
- デュビアはアダルトサイズで50mm前後。割とデカイ ゴキです。
- レッチは、アダルトサイズになっても30mm程度の小型ゴキです。
爬虫類や両生類の多くは、環境に慣れていないと餌を食べない事も多いのですが、その際には想定より小さな餌を与える事で反応を高める事ができます。
動きや食感が気に入らず食べない場合を除き、餌のサイズダウンは有効な餌付け方法ですので、デュビアに反応しなくてもレッチには反応する場合があります。
栄養価や動きは双方似たような物ですので、飼っているペットのサイズに合った方を餌として使用する事になります。
寿命
- デュビアの雄は1年程度、雌で2年ほど
- レッチは半年~1年ほど
と、言われておりますが、幼体からアダルトまで計測した総寿命ですので、アダルトになってしまえば数ヶ月で御迎えが来てしまいます。
また餌として使うのがアダルト主体の場合、育つのにやや時間がかかるので、食わせ過ぎると繁殖要員や餌要員が枯渇してしまう危険があります。
アダルトサイズをメインに与えるのなら、1匹のペットに対して大小合わせて200匹~300匹ぐらいキープしておけば安心です。
デュビア&レッチを餌として使う5つの利点!
彼等の利点は大きく分けて5つあります。
あのコオロギもぶっちぎる性能です。
細かく言えばもっとありますが、とりあえず大雑把に言えば5つです。
その1・寿命以外ではなかなか死なない
コオロギの様に共食いでガリガリ減るなんて悪夢は起きません。
日々を穏やかに過ごし、餌切れ水切れに強いです。
その2・日々の管理が楽
餌切れ水切れに強いので、数日忘れてもピンピンしています。
やばくなると新聞紙を食べたりしてしのぎます。
コオロギの様に自分の糞尿で中毒を起こし死亡!?なんて事も無く、汚れにも強いのでマメに掃除する必要もありません。
手をかければかけるだけ増えてくれますが、手を抜きすぎたからと言って即全滅には繋がりません。
その3・繁殖が簡単!勝手に増える
レッチは卵の詰まった卵鞘を産み落としておりますので、必要なら回収して、別途幼体の飼育場を設けても良いですが、デュビアは基本、尻から卵を出した後それを引っ込め、体内で子供を孵化してから産み落とす特殊な胎生ですが、これは完全放置でOK!
極々たまに卵の塊が落ちてることもありますが、これは戻すのに失敗したのでしょう…
どちらも飼育者の都合で管理を分けたい場合を除き、子供も親も同じケースで飼ってかまいません。
その4・臭くないし、うるさくない
ゴキ=臭いと思われがちですが、実の所、彼等自身は全く臭いません。
乾燥しているせいかウンコが大量にあっても臭いません。
臭う場合は、土や紙などの周辺アイテムが、野菜などの餌から汁を吸い込んでいる場合がほとんどです。
コオロギと違って鳴きませんので、静かなのも利点です。
その5・なにより栄養価が高い
これが一番重要な要素ですが、餌として使った時の栄養価が非常に高いです。
キチンとバランスよく餌を与えているデュビアなら、サプリ無しで十分メインの餌として活躍してくれます。
飼育動物に単一の餌だけを与え続けるのは基本的にNGですが、ゴキ類は多くの栄養素が詰まった良餌です。
デュビア&レッドローチを飼育管理!飼育に必要な物はたったの3つ!
デュビア&レッチの飼育設備
彼等の飼育で必要なのは、
- ケース(虫篭や衣装ケース)
- シェルターになる様な卵の紙容器など(専用の物や新聞紙でもOK)
- 土などの床材(必須ではない)
これだけです。
ケースの中に丸めた新聞紙を放り込んだら完成です。
彼等は日本のゴキと比べ、鈍くさい上に凹凸のない壁面も登れませんので、人によっては蓋すらないケースで飼ってたりします。
死体は食べますが、襲撃してまで共食いをしないので、増えすぎてケース内にギチギチに詰まっていてもワリと平気です。
土などの床材は、マメに管理する人ならメンテナンス効率が落ちるので不用ですが、面倒で放置しがちな場合、死体や糞、食べ残し等の汚物をある程度浄化してくれるので、手抜きをしたい場合には必須です。
環境維持
基本的には乾燥を維持しつつ、温度は25度前後を保つのが理想ですが、わりと適当でも、べちゃべちゃに濡れていたり、極端に寒すぎたり、熱すぎたりしなければ平気です。
野菜や果物で水分補給する場合、土が汁を吸い込んで湿気が多くなると、食べ残しや死体からダニが沸きますので注意しましょう。
ダニの発生が確認されたら、床材&新聞紙等のシェルターを含む全ての物を破棄して掃除する事になります。
デュビア&レッドローチの餌や水のやり方
これもゴキの都合だけで見た場合、適当で問題ないのですが…
連中はゴキなので、基本的になんでも食べます。
野菜屑や果物、ドッグフード、コオロギフード。昆虫ゼリー、仲間の死体…
ドッグフードやウサギの餌など、供給が楽でコスパの良い物をなにか一つメイン餌として与え、様々な物をおやつ感覚でたまに与えるのが良いです。
特に喧嘩もしないので、餌置き場を1箇所に絞っても問題ありませんし、小さい個体にも配慮したいなんて場合は、適当に放り込んでも良いです。
ただ、野菜やゼリーは水分補給も兼ねておりますので、これらを新聞紙やたまごパックの上に置くと、水分を吸って紙がへにゃへにゃになり、腐った臭いが発生する原因になります。
卵ケースと違い、新聞紙は連中が動いた事により広がってしまい、結果として野菜などに接触して水分吸収!なんて事も多いので、そこだけは気をつけましょう。
また、野菜や果物をほとんど与えないと言うのなら霧吹きで給水する事になりますが、蒸れる環境で飼っていると、湿気過多による大量死やダニ発生の確率が跳ね上がります。
霧吹きは慣れないとさじ加減が難しいので、定期的に野菜や果物、場合によっては昆虫ゼリーを水分補給用に常備しておきます。
いずれにしろ、全体的には乾燥を維持する管理ですので、手を抜きすぎた時に水切れがありえます。
いかに水切れに強いと言っても限度はありますので、水分補給を意識して餌を与えるのを習慣にした方が無難です。
とは言え、紙や土が湿気を吸って臭くなっても、べちゃべちゃの水浸しでなければ平気です。
管理している方が、臭いもダニも平気となれば、かなりの手抜きが許されます。
デュビア&レッドローチの飼育や管理 まとめ
デュビア&レッチについてはこんな所でしょうか?
要点を簡潔に纏めると、
- 飼育環境の基本は乾燥系。湿る程度ならいいけど濡らすのはNG。
- 手を抜いても勝手に増える。
- 成長スピードが遅いのがやや欠点。
- 栄養価も高く、欠点より利点の方が遥かに多い最強の餌!
- でもゴキブリ!!
以上の5点です。
冒頭の話に戻りますが、ゴキであると言う最大の欠点が我慢できるのであれば、本当に良い餌です。
ゴキ飼育は爬虫類を飼う上で避けて通れる道ですが、コオロギが一般道だとしたらデュビアは高速道路と言っても過言ではない快適な道です。
ちょっとゴキって苦手なんだよなぁ…ぐらいの苦手度なら克服する価値は高いです。
ですが、遭遇したらパニックになる程にゴキが苦手な場合は、大人しくコオロギにしておきましょう。克服する前に心が折れてしまうので…。
餌コオロギの飼育・繁殖の仕方について、
詳しくまとめてあります。↓
関連記事:爬虫類の餌コオロギの種類と繁殖や管理の仕方【動画あり】