ツノガエル。
すなわちパックマンフロッグ。
奴等はその名の通り、ペットとしてお迎えしてから餌付けに苦労する事はほとんどありません。
小さな内であればあるほど貪欲で、どう考えても食べられない大きな、人間の指であろうと平気で食いついてきます。
ですが、年齢の増加、正確には体が大きくなるに連れ餌食いは落ち、子供の握り拳ぐらいのサイズになった辺で、気に入らない大きさだったり動きだったりすると、固体によっては拒否する様になります。
そうしてサイズが上がるにつれ、その傾向は強くなります。
今回はそんなツノガエルの餌についてです。
栄養価等々を含め、ツノガエルに適している餌から適してない餌、そしてそれぞれ餌の量や頻度、おすすめまで解説してみようと思います。
ツノガエルの餌の頻度と量について
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— Reef & Rainforest (@RandRtours) January 30, 2019
大食漢で目の前に来る物は人の手であれ食べようとするカエルですが、待ち伏せ型で運動する事がほぼないカエルなので、与えすぎると即肥満になります。
太るだけならまだしも、一度肥えてしまうと脂肪肝による心臓疾患や神経のマヒ、♀の場合は脂肪卵による繁殖難など様々な悪影響があります。
完全にアダルトサイズになったのなら、1週間に1度、頭の半分程度の餌を与えるだけで問題ありません。
ツノガエルの餌色々!選択肢自体は膨大
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— Urban Jungle Mcr (@UrbanJungleMcr) November 10, 2015
ツノガエルは基本的に、動物質の物であればなんでも食べます。
虫や哺乳類、鳥類、魚類、爬虫類、果ては同じ種族のカエルまで、それこそ、動いて口に入る物ならなんでも餌として認識する悪食です。
とは言え、継続的に安定して与える事を考えると、それなりに限られます。
大雑把には以下の物となります。
・昆虫類(デュビア・コオロギ・ジャンボミールワーム等)
・魚類(メダカ・餌用金魚等)
・マウス
・肉類(砂肝、ささ身、胸肉、レバー等)
・肉食魚用の配合飼料
・養殖用ウナギ餌
・ツノガエル専用の配合飼料
などがありますが、この中では配合飼料がダントツでお勧めです。
難点は臭く個体によっては反応しない物が居る事ですが、全ての栄養素がバランス良く配合されているので、
これのみで繁殖までこなせる事が大きなメリットです。
餌付きが良い。と言う1点のみで言えば魚類もお勧めです。
導入直後で餌を食べない場合は金魚やメダカを使ってみましょう。
配合飼料以外の餌を与える場合は、単一の餌のみで飼育せず、様々な物をバランス良く与えましょう。
それでは各種どんな特徴があるのかご紹介したいと思います。
ツノガエルの定番餌!昆虫類
デュビアにコオロギ、ジャイアントミールワームと、定番の餌昆虫は、大体ツノガエルの餌としても使用可能です。
ただ、どれも栄養価や消化の良さ、餌への反応まで含めて良い餌とは言えません。
特に餌食いが落ちている個体なら、無理やり与えると、最悪、消化不良で死ぬ危険も高い餌です。
どれも基本的にはピンセットで掴んで与えるのですが、小さいのでピンセットを含め、人間の手までを認識してしまい、大きすぎる為に外敵と判断され、反応しない事も多いです。
どの場合でも与える際には頭を潰し、完全に絶命させてから与えるのも基本になりますので、生餌を与える事に抵抗がある場合はお勧めできません。
特にジャイミルやコオロギは頭を潰さないと胃に穴を開けられてしまう事もあり、与え方を間違えると危険な餌でもあります。
栄養価と言う意味では、デュビアはまだマシですが、コオロギやジャイミルは偏りが激しく、これだけで育てるのはサプリメントを併用しても厳しいです。
餌自体をキープする手間もありますし、他のペットが食べ残した物をたまのおやつとして与えるのなら良いですが、ツノガエルだけを飼っているのであれば、あらゆる面でお勧めできない餌となります。
こちらも定番餌!ピンクマウス
マウスは高カロリーで、栄養価自体はそこそこ優れた餌です。
ただ、高カロリー故に待ち伏せ型のツノガエルへと頻繁に与えると、即、肥満になってしまいます。
消化も良いとは言えませんので、季節の変わり目や冬場など、消化不良を起こしやすい餌でもあります。
大型のツノガエルならアダルトマウスでさえ飲んでしまいますが、毛は消化できないので与えると糞詰まりになる事があります。
大きい個体に与える際には、ピンクマウスのLサイズを複数与える形で調整すれば、そうしたトラブルを予防できます。
一応、これのみで終生飼育でき、繁殖まで可能ですが、生産効率が良いとも言い切れず、個体によっては産まない事もしばしばです。
拒食個体へのファイナルウエポン!魚類
メダカや金魚等は、熱帯魚を扱う店では餌として常備されている生き餌です。
意外な所では、魚屋やオークションで購入できる、養殖されたドジョウなども使えます。
栄養価も悪くなく、これのみで繁殖に成功している方もいますが、生き餌なのでキープが面倒です。
ツノガエル本体より、こいつ等を生かしておく方が、何倍も大変です。
魚類を使う最大の利点は、餌への反応が悪い個体にも餌付け易い点です。
他のあらゆる餌を拒否しても、魚類にだけは反応する事が多いです。
ツノガエルの多くは上陸当初、同族のオタマやカエルと言った物を食べて育つ為、似たような動きと食感の魚類には抵抗がないからではないかと言われております。
反面、魚類はピンセットでつまみ辛く、また、摘まんで与えると本来の動きを生かせないばかりか、
人間の腕を外敵と認識して餌を食べないタイプにはメリットが生かせません。
餌食いが悪いので魚類を使う場合は、
水張り飼育でツノガエルを飼い、そこに魚を放り込むのが基本です。
今まで餌に反応しなかったのに、魚を放り込んだ途端に追いかける素振りをみせたのなら、その個体は餌の動きや与え方が気に入らず拒食していただけの個体と言い切れます。
病気や状態低下による餌食いの低下ではないと分かれば、強制給餌も可能です。
強制給餌は若干慣れが必要な作業ですが、配合飼料などは食べない事も多いので、できる様になった方が後々便利です。
餌としてワリと使える!肉類
スーパーの精肉コーナーなどで普通に購入できる鶏肉やレバー等は、たまに与える餌としては有用です。
また、切り身なので魚や蛙の様にぬめっとしてるので、拒食個体のツノガエルでも反応する事があります。
レバーやささ身、胸肉など、大体なんでも使えますが、脂身の多い牛肉や豚肉はNGです。
水張り飼育の場合は油などがそのまま拡散してしまうので、与えて24時間ほどしたら、必ず水替えをしましょう。
(特にレバーは酷い事になります)
変わり種としては脂身のほとんどないシカ肉なども利用可能です。
昨今ではオークションなどの通販でも、そこそこの量が購入できますので試してみるのも良いでしょう。
ただし、永久的に与える餌としては、栄養価の面で問題がありますので、一時的なおやつと割り切りましょう。
ツノガエルの餌として意外な代用食!大型魚類の配合飼料
大型の魚類、アロワナやナマズと言った魚食傾向のある大型魚用の固形飼料も、ツノガエルの餌として流用可能です。
ただ、栄養価の面では最適とは言えませんし、固形飼料なのである程度湿らせないと反応すらしてくれないなどがありますので、元々餌食いの良い個体にのみ向いた餌です。
また、拳大のサイズ以上に育ったツノガエルでは、1粒が小さい為に与えづらく、何度も与えなくてはならないので、正直面倒です…。
この餌を選択するメリットが少ない為、選択肢の一つとしてそんな方法もある。といった程度の認識で良いと思います。
ずいぶん前にツノガエルの餌として候補にされた事がある、ブロック状に乾燥させたイトミミズも、与えること自体は可能ですが、こちらは栄養価的にもメリットが皆無です。
こちらは全くの意外性!養殖ウナギ用の餌
人間が食べる為に養殖されているウナギ。
こいつ等を早く大きくおいしい物へと育てる為に使われている専用の餌があります。
昨今では、この餌が爬虫類や魚類、両生類の餌として有用な物として認識され、オークションなどでも普通に購入できます。
水で練って与える粉餌なので、長期保存が可能であり、かつ栄養価も良いので非常に便利なのですが、この餌をメインで与えていると、問題も良く起こります。
増体効果があるので、これのみ使用していても早く大きく育つのですが、想像以上に急激に育つので、一見すると良い餌に思えてしまい、ここに強烈な罠があります。
と言うのも、これはウナギに適した餌であって、ツノガエルに適した餌ではありません。
これのみで育てると、早ければ1年ほど、長く使えば使うほど内臓器官に影響が出始めます。
手元の解剖データでは、腎臓、膵臓、肝臓、胆嚢などの臓器がイカレるケースが目立ちます。
臓器がイカレても外見に変化がなく、餌食いも落ちない場合があり、見た目からは判断がつきません。
ある日、唐突に餌食いが止まり、死んで解剖して初めて異常に気が付きます。
各所でお勧めされているウナギの餌ですが、こうした結果から我が家では使用を控える事にしました。
文句なしにお勧めな餌!各種ツノガエル専用の配合飼料
ウナギの餌がツノガエルの餌として有用と言われだしたのは、この専用の配合飼料のベースがウナギの餌だった為と言われております。
実際、私が取引している問屋の人々は、専用の配合飼料もウナギの餌だと思い込んでおりますw
ですが、成分表や臭い、色、水を加えた際の粘り等を比べてみると、明らかに違います。
使用方法も保管方法もウナギの餌と同じですが、こちらはツノガエル用に栄養価が調整されていますので、これのみで繁殖までこなせます。
もしも特別な理由がないのなら、こうした専用の餌を利用することをお勧めします。
問題があるとすれば一つだけ。
せっかくなんでも食べてくれる餌付きの良いカエルなのに、丸めた団子を食わせるだけと言うのは味気ないと言う点のみです。
ただでさえ触るといったスキンシップなど望めない上に、ほとんど動かない生き物です。
唯一の楽しみは食事を観察する事ぐらいなので、「これだけ与えていてなにが楽しいのか?」と言う最大のハードルが立ちはだかるのです!
なので、基本的にはこの餌を使い、たまに他の餌を与える感じで飼育を楽しむ事をお勧めします。
なお、中には固形飼料として開発されたツノガエルの餌もありますが、大型魚の餌と同じ理由で、大型のツノガエルには向いていない餌となりますので、小型の内だけの餌と割り切りましょう。
と、ツノガエルの餌についてはこんな所でしょうか。。。
まとめ
ツノガエルは何でも食べる為に、つい何でも与え、量も多めにしてしまう・・・といったトラブルに繋がりやすい生き物です。
また、想像以上に栄養価の影響を受けやすい生き物です。
この為、間違った餌を与え続けると、健康に生きていても繁殖しません。
これが、ツノガエルの繁殖は難しいと言われる最大の理由です。
せっかく♀のスイッチが入っても、栄養価が悪いと卵が腹の中で健康に育っておらず受精卵になりませんし、発生中に死亡してしまう事も多いにあり得ます。
基本的に繁殖を意識した場合は、お勧めするのは配合飼料のみの使用ですが、完全に作業になってしまうので、ペットとして楽しみたいのなら、トラブルを恐れずにあえて色々と与えて楽しむのも大事だと思います。
そんなツノガエルが餌を食べない場合は、こちらで与え方のコツや、餌の動かし方、ちょっとした裏技など、餌への反応を高める方法などをご紹介しています。
ツノガエルが餌を食べない!病気?原因や対処方法(与え方のコツ)などを紹介!