<地表種、後編>日本のカエルは全部で43種類!その内、本州で出会えるカエルについてご紹介

カエル

日本の本州で出会えるカエル。

 

それらをご紹介する第三回目は、

前回紹介しきれなかったアカガエル科の連中と、ガマガエル

 

すなわち「ヒキガエル科」に絞ってご紹介したいと思います。

 

前々回の記事:日本のカエルは全部で43種類?本州で出会えるカエルについてご紹介(ツリーフロッグ編)

前回の記事:<地表種、前編>日本のカエルは全部で43種類!その内、本州で出会えるカエルについてご紹介

 

今回の連中は判別がつきづらいと言う意味では、

前回の奴等より、はるかにタチが悪いです(笑)

 

慣れた人が見比べたとしても、

だろう…恐らく…と言った曖昧な物になりがちな種類ばかりです。

 

前回と同じく、種単位で覚え完璧に判別するのは無理がありますので、日本のカエルは、

  • アマガエル系(アオガエル科を含む壁に張り付く奴等)
  • トノサマガエル系(アカガエル科。水に飛び込んで逃げるタイプが多い)
  • ヒキガエル科(でかいイボイボのカエルは全部これ)

と、この3系統だけを覚えておけば、特に問題ないでしょう。

 

「今朝、窓ガラスにくそでかいアマガエルが張り付いていたよ!」なんて会話で、

実際張り付いていたのがモリアオガエルだったとしても大差ないですし、

 

「田んぼの横を歩いてたら、突然トノサマガエルが水の中に飛び込んでマジびびった!」

なんて会話で、実際飛び込んでたのがアカガエルだったとしても誰も困りません。

 

ただ、そんなに詳しく知らなくても困る事のない内容ですが、

知っていれば会話のキャッチボール幅も広がり、色々な話に繋げられる可能性も広がります。

 

アマガエルのくだりであれば

「いやそれ、そのサイズならシュレゲかモリアオさんじゃないかしら?」

と会話を繋げれば、

 

「なんでモリアオだけさん付けなんだよ!」

との突っ込みも期待できるでしょう。

 

※モリアオのさん付けに理由はありません…w

 

生き物の名前なんて、普通の人にとってはただの雑学で、

そんなちょっとした会話のレパートリーを増やせるぐらいの価値しかありません。

 

いざ飼育する!となった場合でも、上記の3系統は大体同じ飼い方なので、

問題になるのは、ペットなのでちゃんとした種名を知っておきたい!と言う気持ちのみです。

 

前回までの記事も、そして今回の記事も、そんな知らなくても困らないけど、

知っていればちょっぴりネタになるかもしれない。

程度の物とお考えください。

 

さて、そんなこんなで、

前言い訳が長くなりましたが、紛らわしさMAXの残り8種を紹介したいと思います。

 

大事な事なので重ねて申し上げますが、

実際の判別がつかなくても私のせいではありませんw

 

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二つの名を持つガマガエル!有毒ガエル!ヒキガエル

良く、お年寄りやおばちゃんから、

ガマガエル」と呼ばれる奴等は、元々はこのヒキガエルを指す物でした。

 

この呼び方は今ではかなり適当で、

ヌマガエルやツチガエルなどのイボガエルやトノサマガエル、

さらにはカエル全てを指して蝦蟇(がま)と呼ぶ人もいます。

が、本来は、ガマガエルと呼ばれるのは、このヒキガエル連中だけです。

 

また、ヒキガエルの仲間は耳腺と呼ばれる鼓膜付近にある突起から乳白色の毒液を出します

目や口に入ると大変危険ですので、

ヒキガエルを触る時にはゴム手袋などを装備しておきましょう。

 

飼育していて人間に慣れると出さなくなったりもしますが、

基本的に有毒ガエルと思って扱った方が無難です。

 

ヒキガエルと言えばこいつ?二ホンヒキガエル

二ホンとついて居るので全国に居る代表ヒキガエルかと思いきや、

主に西日本に分布するヒキガエルで、

日本全土の分布図で見ると、生息域はわりと狭い範囲になります。

とは言え、移入されて各地に散らばってもおりますので、

一概に西日本のみに居るとも言い切れません。

 

平均して15センチ前後になる、本州の国産カエルとしては最大のカエルです。

特に温かい地方ほど大型になる傾向にあり、17センチを超えるものもいます。

 

体色は個体ごとに様々で、茶褐色黄土色赤褐色などで、

これらがそれぞれ増減するので、かなりのバリエーションがあります。

 

派手な赤いタイプや真っ黒に近い物ほど、ペットとして人気があります。

 

 

ヒキガエルはカエルとしては珍しく、過度な湿気が苦手で泳ぐのが下手な存在です。

 

繁殖期になると蝦蟇合戦と呼ばれるほどの、

パートナーを探す戦が各地の池で繰り広げられますが、

 

ヒキガエルは雌雄の個体数に差が激しく、雌が少なく雄の数が多い種類ですので、

水場では雄達が少ない雌を巡って体力の限界までしのぎを削るのです。

 

限界までヒートアップしすぎて抱き着くので、

そのまま雌を絞め殺してしまう事もあります…

 

ですが、先ほども申した通り、泳ぐのが大変下手なカエルです。

体力の限界まで雌を求めたは良いものの、

 

結果として岸までたどり着けずにそのまま溺死

雌も産卵で体力を失い沈没

 

その流れで、池はでっかいカエルの死体が

多数浮かぶ、地獄絵図と化します!!

 

この地獄絵図、彼らの産卵は比較的岸際で行われる為に、

自然の池ではあまりある事ではないのですが、

 

ヒキガエルは産まれた池に帰ってきて産卵する傾向の強いカエルですので、

成熟するまでの数年で産まれた池が護岸工事などされてしまった際に起こりやすいです。

 

私の田舎の祖父母宅付近にあった池を護岸工事した際には、

ドンピシャでこの悲劇が起こり、彼らの生態を知らない村の人々は、

誰かが池に毒物をばら撒いたのではないかと本気で心配しておりました…

 

もしも初春~夏にかけて、

池や湖ででっかいカエルの死体が浮いていたら、

 

それは次の世代を残すべく戦い、

儚く散ったヒキガエルの成れの果てかもしれません。

 

紐状の長~い卵があったら、間違いありません。

 

ヒキガエルと言えば分布図の広さではコイツの勝ち!!アズマヒキガエル

ニホンヒキガエルが名前に反し、

実際は西日本のみに分布するのに対して、

 

コイツは東ヒキガエルの名の如く、

近畿地方より東に広く分布するヒキガエルです。

 

分布域だけなら二ホンヒキガエルより広い範囲に生息しています。

 

さて、この二ホンヒキガエルとアズマヒキガエル。

 

なにが違うのかと言えば、全く違いが見られません!!

大事な事なので、もう一度言いますが、色も形も生活形態も、全く違いがありません!

 

分布域以外で明確な違いはないのです!

 

僅かながらの差を語るなら、

  • 二ホンヒキガエル→鼓膜は小型で、眼と鼓膜間の距離は鼓膜の直径とほぼ同じ。
  • アズマヒキガエル→鼓膜は大型で、眼と鼓膜間の距離よりも鼓膜の直径の方が大きい。

これだけです。

 

しかも微差とか誤差の範囲なのに、

個体差もありますから、判別はものすごく厳しいです。

 

なので、西と東で捕まえたヒキガエルを

仮に出されても、それだけでは区別がつきません…

 

近畿より東ならアズマヒキガエル

それより西なら二ホンヒキガエルぐらいのアバウトな感覚で良いでしょう。

余談ですが、ヒキガエルは狭い池で一度に多数が大量に卵を産むタイプなので、

アルビノのオタマを見つけやすいカエルです。

 

池の底が黒い絨毯の如くオタマで埋め尽くされる様な場所なら、

高確率で出会えますので根気良く探してみましょう。

 

網でざばー!と大量にすくい、その中で探すのが早くて簡単です。

 

ですが、ヒキガエルは親のサイズと比べ、

カエルとして上陸した時のサイズがとんでもなく小さく、8ミリ程度しかありません。

 

餌の準備が大変なのに加えちょっとした事で死ぬので、

アルビノのヒキガエルをオタマから育てるのはとんでもない難易度となります。

 

ヒキガエルは獲物に飛び掛かるというより、

舌のみを伸ばして獲物を捕まえる傾向の強いカエルですので、

想定より遥かに小さな餌を必要とするのも、難易度上昇に拍車をかけます。

 

ヒキガエルとしてはレア!!ナガレヒキガエル

カジカガエルが居るような渓流に生息するヒキガエルで、

長らく、アズマヒキガエルや二ホンヒキガエルと混同されておりましたが、

1976年に新種登録された種類です。

 

アズマと二ホンの両種は紛らわしく区別がつきにくいものの、

コイツは手足が両種と比べかなり長いので、見比べれば容易に判別可能です。

 

とは言え、

 

それ以外の部分はほぼ同じなので、

単品で出されたら、やはりわかりずらいです。

 

分布が北陸地方から紀伊半島にかけての渓流と、かなり限定的なので、

生活圏内が重ならない人にとっては、遭遇の機会がほとんどないカエルです。

 

手足がやや長く渓流に住んでいると言う事以外は、

アズマヒキガエルや二ホンヒキガエルと同じと考えて良いでしょう。

 

小さなアカガエル!タゴガエル

 

成長途中のアカガエルと思われてもしかたがない、やや小型のアカガエル。

それがタゴガエルです。

 

見た目の大きな違いはそんなサイズ差ですが、

繁殖形態は特徴的で、伏流水(地表下の水流)に産卵する変わったカエルです。

 

主に渓流近くの岩の下などを流れる水流に産み付けられるのですが、

その数は30個~160個とカエルにしては異様に少ない数が産み付けられます。

 

これは、餌の無い所に産む為にオタマが卵黄だけを養分にして餌を食べずに育つ事へ対策で、

数を少なくして1粒あたりを大きくした事によるものと考えられています。

 

とは言え実験してみた所、このオタマ。

普通に餌を食べて糞を出し、なんの問題もなくカエルになりました。

 

与えた餌は、成分的には普通の金魚の餌でしたが、

形状が平たい紙きれのようなタイプを霧吹きで比重を水と同じにし、

底に沈めた時しか食べなかったので、岩苔のような物なら食すのかもしれません。

 

なので、オタマには消化器官がないとかそういう事ではなく、

適した餌があれば普通に食べるようです。

 

タゴガエルの水中特化型!ナガレタゴガエル

 

カエルには繁殖期に形態が変わる種類が居ますが、

ナガレタゴガエルもこれに該当するカエルです。

 

普段はタゴガエルとの区別がほぼつきませんが、

秋から春にかけては水中ですごすカエルなので、全身がブヨブヨの皮でおおわれます。

これは水中での皮膚呼吸効率を上げるためと考えられており、

冬眠と繁殖の期間をまるまる水中で過ごす彼らにとって必要なものだと言われております。

 

標高300メートルから1000メートルの山地の渓流と、

極めて限られた所のカエルなので、日常で出会う可能性は低いカエルです。

 

タゴガエルとの違いはブヨブヨ時以外では、

後ろ足の水かきが大きい事や鳴き声が違う点が挙げられますが、

やはりこれも見比べればわかる程度の物なので、単品での識別は困難です。

 

別名イボガエル!その名はツチガエル

 

別名がイボガエルと言われるように、皮膚にイボ状突起が多く見られるカエルです。

3センチ~6センチほどのカエルで、ほぼ全国に分布しています。

 

沼や池、田んぼや川などどこにでもいますが、生まれた所からあまり離れないのか、

居ない所ではいつまでたっても見かける機会がないように思えます。

 

灰褐色で色による個体差も少なく、地味で目立たない存在ですが、

似たような見た目のヌマガエルと違い、皮膚のヌメヌメ感が少ない事から、

手にイボイボ感が良く伝わるのが、ヌマガエルとの差です。

 

ただ、掴むとヌルヌルした液を出すので、

結局差がわからない!!と言う公明の罠が仕掛けられています!!

 

ツチガエルと混同される奴ヌマガエル

 

見た目もサイズもツチガエルと似たり寄ったり

で、混同されるのがヌマガエルです。

 

ツチガエルがヌマガエルに混同されるのか、

ヌマガエルがツチガエルと混同されるのか議論の余地がありますが、

そのぐらい差がわかりずらいです。

 

背中に1本明確な縦縞が入るなら、高確率でヌマガエルですが、

入らない奴もいますし、同じ場所に住んでいる、

ツチガエルと同科、同サイズ、同時期の繁殖な為、

交雑している可能性も捨てきれず、本当に判別が難しい所です。

 

ツチガエルと違い寒い場所にはいないので、寒い地方ならツチガエルと言い切れますが、

分布域である静岡県より西の方でもツチガエルは居ますので、

そこで出会った場合は明確な識別ラインが持てず、もにょる事になります。

 

外来生物のカエル代表!ウシガエル

 

でかーい!!

 

ウシガエルを初めて見た人は大体そう言います。

見た目で例えるのなら、超絶でかい深緑色のトノサマガエルです。

 

頭から尻までのサイズ的には18センチぐらいですが、

横幅や体重があり、サイズ以上にかなり大きく見えます。

 

コイツは本当にでかいです。

 

約4000種以上いるとされるカエル全体でも見ても、

ここまでのサイズになるカエルは一握りです。

 

でかくて人間の食糧としても有用だったので、

戦後の食糧難を解消するために輸入されたのですが、

そいつらの一部が脱走。

あるいは廃業した養殖家が捨てた結果、日本全国に分布域を広げた外来種です。

 

  • 数メートル飛び跳ねる跳躍力。
  • 高レベルな潜水性能。
  • 基本的には水中に居て、藪や葦の間に潜伏し目と鼻だけを出す生活スタイル。

 

そんな身体性能と生き方をしているカエル故に、網や手で捕まえるのはほぼ不可能です。

コイツを捕まえるには釣り上げるのが最も確実かつ簡単ですが、

外来生物故に飼育が禁止どころか、生息地から持って帰るのも禁止。

 

このカエルを持ち運び&飼養できるのは、

国から許可を得た業者だけです。

 

網で捕まえるのは非常に困難ですが、

バス釣りに行ったりした時に、

 

遊び半分でルアーを投げれば簡単に釣れてしまうので、

面白がってお持ち帰りするのは絶対に止めましょう。

 

鳴き声は「ぶおーん!ぶおーん!」と非常に不気味な声で、

牛に似ている事からウシガエルの名が付いたようですが、

人気のない山奥の池で、

 

突然こんな声が聞こえてきたら

心霊現象と思われてもしかたがないでしょう。

 

私の祖父母の田舎では貯水槽に住み着いたウシガエルの声が、

なぜか女の泣き声が聞こえるとして噂になり、村の老人たちを震え上がらせた事があります…

 

ウシガエルはカエルにしては珍しく、

雄の方が超大型になるタイプのカエルです。

 

体の大きさ以外でも、雄は鼓膜が目玉の倍近くになり、

雌の鼓膜は目玉と同じぐらいのサイズと、

サイズ以外ではっきりした雌雄判別ができるのも特徴です。

 

余談ですが、養殖中のコイツの餌として輸入されたアメリカザリガニも、

今では日本に定着した外来種です。

 

まとめ

と、本州で出会えるカエルはこんな所でしょうか?

 

纏めると、前回以上に見た目に差が乏しいのに、

やっぱりそれぞれに明確な名前がついている!

と言う事になります。

 

記事作成に当たり、自分の飼育経験や探索経験、

およびネットや手元の資料なども参考にしましたが…

 

いやもうホント、

 

ヒキガエルとか別に3種に分ける必要ないだろ!

 

と、書いてる私が突っ込み入れるぐらいの微差なので、

分類学ってホント細かすぎてわかりません!!

 

なるべくわかりやすく解説しましたが、

もしもこの記事で得たうんちくを語りたくなった時には、

ひと呼吸おいて、空気を良く読んでから披露してみてください。

 

空気を読み間違えると、うざがられておしまいです…w

 

次回からは、各種の出会いやすいポイントや捕獲方法、

飼育方法などを数回に分けて記事にしてみようと思いますので、

引き続き、お付き合いいただけましたら幸いです。

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