爬虫類の色彩!アルビノだからって白いとは限らない!色彩変化(色違い)の基本

爬虫類の色彩について

爬虫類両生類に限らず、多くの生き物には色彩異常と呼ばれる先天的な異常があります。

 

代表的な色彩異常はアルビノですが、

アルビノ以外にも様々な色彩異常があり、その組み合わせは非常に多いです。

 

今回のテーマはそんな色彩異常についてです。

基本的な「色違い」について、その名称や意味を含めて解説してみようと思います。

 

スポンサーリンク

色素異常に関する基本

 

色素異常に関する基本

 

そもそも色違いや品種ってなんなのか?と言う疑問が湧く人も居ると思いますが、これらは全て、人間で言えばある種の先天的な障がいです。

意外な事と感じるかもしれませんが、人間でもアルビノの人は居ます。

 

虹彩が透けてしまう為に、視力の低下や紫外線から身を守るメラニンが無いなどのハンデを抱えてしまいますがそれ以外の部分は健常者と変わらない場合も多いです。

透き通るような肌と、赤い瞳が印象的なのは他の生物のアルビノと共通した部分です。

 

爬虫類業界では、こうした先天的な物を固定して、アルビノしか生まれない様な状況を累代的に作り出した物が、晴れて品種となります。

1代限りの変化であれば品種とは定義されず、ミュータント色素異常と呼称されます。

アルビノの様に変異が分かりやすく、かつ定着している物は、1代のみでも状態異常の一つとして明確に呼び分けられています。

 

今回のテーマは、こうした既に市民権を得ている色素異常の基本的な名称についてです。

あくまで色素異常についての名称なので、これらを固定すると珍妙な商品名や品種名になります。

 

この辺りのルールがキチンと把握されておらず曖昧なので、ショップでは1代目から妙ちきりんな品種名をつけられたりもしますが…

それでは、各々、どんな色素異常があるのか解説してみたいと思います。

アルビノ(アメラニスティック)

色素異常の代表とも言える変異がアルビノです。

 

目玉が赤く、ボディが真っ白…なんて表現が多くの漫画やゲームで取り上げられますので、白い奴は全部アルビノだと思われがちですが、アルビノは厳密には黒い色素が欠乏した状態を指す物です。

 

広義の意味では、色素異常全般を指す言葉としてアルビノが用いられる事もあるようですが、少なくとも爬虫類業界では赤目の個体を指す物だと思って貰えば間違いありません。

 

黒い色彩が無いので、目の虹彩が透けてしまい、血管が丸々透けてしまうので赤目になります。

なので、体が黄色かったり赤かったり茶色かったりしても、目が赤ければアルビノです。

 

逆に言えば、体が白くても目が赤くなければアルビノとは呼べません。

(広義の意味では色素異常であればアルビノとなりますが…)

 

代表的な種類では、コーンスネークのアルビノは基本的に赤いボディですし、アオダイショウは全体的に黄色です。

それでも黒い色素が無いので、アルビノと呼ばれます。

黒が無くなった結果、どんな色素が残ったのかで個体の印象はガラリと変わります。

 

 

とは言え、黒い色素は完全になくなってしまうので、全体的に透明感が増すのは共通した特徴です。

 

よくある白ヘビ信仰などでも真っ白で赤目と表現されますが、実の所、これを日本のヘビで再現するのは非常に難しく、大体が黄色いボディに赤目となります。

メラニスティック(黒化)

アルビノが黒い色素が無くなるのに対して、こちらは逆に増大して全身が真っ黒になります。

どんな生き物にでもあり得る色素異常ですが、意外と再現率は低く珍重される傾向にあります。

 

有名なのは伊豆諸島のシマヘビで、多くのシマヘビと異なりこの地域の個体はカラスヘビと呼ばれる程に全身真っ黒です。

黒化は、全ての生き物にあり得る変異です。

リューシスティック(白化)

黒目で真っ白ボディになる物はアルビノとは呼ばれず、リューシスティックと呼び分けられます。

日本語では白化

アルビノとリューシは混同されがちですが、真なる白ヘビはこのリューシの事です。

 

ホワイトタイガーやフェレット、ウーパールーパーなど、割と有名な連中にも定着している色素異常ですが、意外とリューシスティックと表現する事を知らない人は多いです。

 

ヘビで代表的なのはテキサスラットスネーク等があります。

人気のカテゴリなので、代表的な種類に限らず、多くのヘビやトカゲ、両生類で完成形の一つとして扱われます。

 

完全に白&黒目を指す物なので、個体ごとにクオリティ差があまりないのも特徴です。

ブリザード等の珍妙な品種名として定着している種類も多いです。

レオパの様に、模様の無い個体に対する品種名としても使われたりしますが、本来の意味とは若干異なります。

 

 

アザンティック(黄色色素欠乏)

黄色の色素が無くなった物をアザンティックと言います。

代表的な生き物は、水色のアマガエルやスカイブルーのグリーンイグアナでしょうか?

 

 

本来緑色の体なのに、黄色が無くなってしまった為に、青い光を反射するグアニン色素のみが残ってしまい、青いカエルやトカゲになります。

その関係上、緑色の体色を持つ生き物は、全て青くなる可能性がありますが、逆に言えば緑色以外の生き物が青くなる可能性はほとんどありません。

 

また、自前で青い色素を発色できる生物もほとんどおらず、青い蝶や甲虫でも、青い光を反射しているに過ぎない場合がほとんどです。

アザンティックはあくまで黄色が無くなる事を指すものなので、青い個体を指す呼び方ではありません。

元々が茶色のヘビでは赤が強調されて真っ赤になったり、ピンクや紫色になったりする種類もいます。

ザンティック(黄色強調色)

珍しく欠乏ではなく強調系の方向で語られる名称で、黄色が強調されている物がこう呼ばれる事があります。

 

カラーバリエーションの一つとして定義されている側面が強く、代表的な物には、黄色のアマガエルやレオパがありますが、同時になにかしらの色素が欠乏している事も多く、定義も曖昧だったりします。

アネリスリスティック(赤色素欠乏)


赤い色素の欠乏を指す物
で、茶色の個体なら黄色だけが残って派手な個体になりますし、逆に派手なヘビならモノトーンの落ち着いた色合いになります。

代表的な物にコーンスネークのアネリがあります。

エリスリスティック(赤色素増大)


赤を強調する形の色素異常

欠乏ではなく増大なので、下限や上限がなくクオリティ差が激しいのが特徴です。

 

代表的なのはグリーンイグアナですが、逆にグリーンイグアナ以外ではあまり使われず、真っ赤で派手な色彩になる物が多い事から、既になんちゃらファイヤー等の中二病的なヘンテコ品種名が付けられていたりします。

ハイポメラニスティック(黒色素減少)


ハイポは「欠乏」ではなく、黒い色素が「減少」した物を指す名称です。

あくまで「減少」な為に個体差が激しく、クオリティどころか定義も曖昧です。

 

アルビノ1歩手前の極薄な物から、ブドウの様に濃い紫になる物まで様々です。

品種名としてはラベンダーなどが使われる事もありますが、ラベンダーは明確にT+アルビノと呼び分けられる事もあります。

ヘテロ

表現上では現れていないものの、血筋としては色変を内包している物を○○ヘテロと呼びます。

 

アネリヘテロなら、見た目的には赤い色素を持っていても、同系統で配合すれば血筋的には次の世代で即アネリを再現できる個体となります。

お店やブリーダーに言われなければわからない部分ですから、売り手を信用する以外の判別方法がありませんが、高級品種を作ろうとした時のハズレ枠として大量に出る事も多く、繁殖可能サイズまで育てれば思わぬ大当たりを招く可能性も高いです。

 

また、現在品種の改良が進み切っている種類では、ドノーマルを探す事の方が難しいケースも少なくなく、ノーマル同士を掛け合わせたのに、産まれた子供がアルビノだった…なんて場合が多いのもこのためです。

そして始まる品種の改良!

以上が異常の基本です。(ダジャレにあらず)

そう、あくまで基本値なのです。

これらを組み合わせて色彩の強弱を操作して、ブリーダーは思い思いの品種作成に奔走します。

表現が多岐にわたる以上、狙ったカラーリングが4~5年で再現できれば御の字です。

 

ゼロからやろうとしたら、10年20年かかっても最後に血統が途絶えて振り出しに戻る…

なんて悪夢もあり得る長い長い道のりですが、その分達成できた時には無量の喜びとなります。

 

さて、こうした物が基本となる以上、大前提として、無い物は足す事が出来ないのがデフォです。

必然的に元々持っているカラーが多い生き物程、品種改良では優位な生き物と言えます。

 

グリーンイグアナであれば黄色を抜いて青いイグアナ、赤を増大してエリス、青を抜いて黄色など様々な可能性がありますが、基本が黒と黄色&赤となる地味な日本のカナヘビは、どんなにがんばっても青どころか緑にするのも不可能なのです。

 

これは生き物全てに当てはまるルールなので、青いバラは絶対に作れない!と長年言われ続けた背景にはこうした理由があったワケです。

(サントリーが遺伝子組み換えと言う反則技を使って再現したのは記憶に新しい事件です…)

 

遺伝子組み換えは品種改良の禁忌にして反則技なので、基本的には元々ある色を、

  • 濃くするのか
  • 薄くするのか
  • 無くすのか

の3択で品種の改良が進められます。

まとめ

 

色彩異常についてはこんな所でしょうか?

現在流通している多くの人工繁殖された色違いは、必ず今回紹介したどれかに該当していて、複数のコンボ物件だったりする物もザラです。

 

厳密にはアルビノやアネリなどの色素「欠乏」以外は、異常と言う言葉は適切ではありませんが、人工的に色彩を操作されたと言う意味では異常に分類されます。

 

こうした基礎を元にあらゆる品種が作られていきますので、今後、飼育している生き物の人工繁殖やオリジナル品種作成を目指すとなれば、避けては通れない雑学となります。

 

比較的簡単に増えるコーンやカリキン、ウーパールーパーなどの簡単な種類から、高額種の難しい物まで、あらゆる所で必要になる基本知識ですので、

まずは

  • どの色が無くなっているのか?
  • あるいは増えているのか?

と言った部分から気にしてみると、分かりやすいかもしれません。

 

この記事が少しでもお役に立てたのなら幸いです。

タイトルとURLをコピーしました