ペットスネークとして盤石の地位についているコーンスネーク!
それ故に世界中に愛好家がおり、プロアマ問わず、色々なモルフ(品種)が作られています。
元の色彩自体が多彩なヘビなので、品種改良の余地も多く、爬虫類全体で見てもこれほど品種改良が進んでいる種は早々いません。
今回は、そんなコーンスネークの品種について紹介してみたいと思います。
コーンスネークのモルフ(品種)
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— MorphMarket (@MorphMarket) 2016年12月19日
コーンスネークのモルフは多すぎてとても解説しきれませんので、模様での品種は極力除外して、今回は色彩のみに絞って解説してみようと思います。
品種改良の基礎!ノーマル
まったく人の手がはいっていない、自然下と同じ、あるいは近い物がノーマルです。
アカダイショウの別名通り、全体的に赤を強調した色彩となりますので、ノーマルと呼ばず、レッドと記載される事もあります。
販売されている時には、特に変わった品種名もなく、コーンスネークとだけ記載されている場合がほとんどですが、繁殖時の両親が明確な場合は、名前の後に「ヘテロ」との記載があります。
アルビノヘテロとなっていた場合、見た目がノーマルでも、因子としてアルビノを持っている個体となります。
ヘテロの記載は高額な品種や珍しい品種の親を使った場合には良く見られますが、既に定番となっているアルビノなどであれば、わざわざ書かれていない場合も多いです。
品種改良のド定番!アルビノ
品種改良の定番と言えばアルビノです。
コーンもこの例に漏れず、アルビノが作成されており、定番化しております。
アルビノと言えど、コーンの場合は元々が赤いヘビなので、黒い色彩を抜いた結果、派手な赤色が強調されたヘビになります。
アルビノと名が付いていても、白いヘビにはなりませんから、注意が必要です。
コーンスネークはアルビノ系を元にした品種も数多いので、アルビノレッドと呼び分けられる事もあります。
黄色と赤の親和性強調!タンジェリン
ほど良く黄色と赤を混ぜ合わせて、全体的にオレンジ色をしたアルビノをタンジェリンと呼びます。
その性質上、安定生産は困難なのか、1点物である事も多いです。
コーンの特性上、成長に伴いオレンジ色の強い個体でも赤みがかってしまうのがデフォですが、アダルトサイズになってもオレンジ色のままである事が特徴のようです。
アルビノの一歩手前、ハイポ
正式にはハイポメラニスティックと呼ばれる色彩変異です。
アルビノが黒い色素を持たない品種なら、ハイポは黒い色彩を薄くしたものです。
「薄く」と言う曖昧な定義の為に、濃い場合もありクオリティはまちまちです。
ノーマルと大差が無い物もおりますので、クオリティによってスーパーハイポなどと呼び分けられる事もあるようです。
赤を抜くと言う方向性!アネリスリスティック
元が真っ赤なヘビなのに、赤い色彩を抜いた(あるいは極端に減少させた)物が、アネリスリスティックです。
アネリスリスティック自体は、赤色の色素欠乏を起こした状態を指す言葉ですが、品種名としても定着しています。
通称アネリ。
見た目が灰色~黒の地色になり、派手な赤いヘビと真逆の地味ヘビになります。
その色合いから、ブラックとも呼ばれます。
完全に赤色がゼロになっておらず、黄色も薄っすら残してたりもするので、成長に伴い茶色がかった灰色になる個体も多いです。
アネリにも複数の系統があり、
- 普通のアネリはA
- 後述するチャコール系ならB
- シンダー系ならC
となります。
特にアルファベット表記がなければ、普通のアネリである事がほとんどです。
アネリはアネリでも別系統のアネリ!チャコール
日本語では木炭となるチャコール。
ただのアネリに見えなくもありませんが、合わせて黄色も抜いているので、和風なヘビ感が強くなる品種です。
アネリ系を突き詰めて地味な品種を作りたいのに、黄色が邪魔してしまう…
なんて時にはこちらの品種が必要になります。
赤を抜いて黒も抜いてしまおう!スノー
スノーはアルビノのアネリです。
赤と黒を抜いてしまったので、いよいよもって白ヘビ!と言える状態になりますが、子供の頃は鱗が薄く、筋肉が透けてしまいピンク色に見えます。
大きくなるにつれ鱗が厚くなり、全体的に白いヘビになります。
白ヘビに特別な感情を抱きがちな日本人には、特に人気の高い品種です。
ついでだから模様も抜いてしまおう!ブリザード
ブリザードはスノーの色彩変異を起こした個体から、さらに模様を無くす方向で品種改良された物です。
チャコールと呼ばれるアネリ系統を使い、白さの協調と模様の消失を狙った結果の品種です。
模様は限りなく無い物から、割と残してしまっている物まであり、個体によってクオリティに差がある品種です。
赤を強化しよう!ブラッドレッド
アルビノにせず模様だけを薄くした結果、最終的にドギツイ血の色みたいなヘビとなる品種です。
大きくなるにつれ模様が薄くなり、名前に恥じない品種へと成長します。
他の品種作成時の基礎ともなる品種です。
子供の頃から赤さが際立っていますが、アダルトサイズになった時ほどのインパクトはありません。
成長に伴い劇的に変化する品種な為、ブラッドレッドと言われて買ったものの、大人になったらイマイチだった…なんて個体もおります。
燃える赤色!ファイア
ブラッドレッドをアルビノにしたものが、ファイアです。
ただのアルビノレッドと比べて模様が薄い為に、非常に赤色が際立ち、さらにド派手なヘビとなります。
模様の関係する品種なので、
- 模様がどのように残るのか?
- 多いのか少ないのか?
でも印象が変わる品種です。
せっかく強化した赤をやっぱ抜いてしまおう!ピューター
模様が薄くなって赤さが強調されたブラッドレッドから、今度はその赤色を抜いてしまおうと改良されたのが、ピューターです。
簡単に言えば模様の少ないアネリです。
子供の頃には模様を残していますが、最終的に灰色~銀色一色になる、非常に渋い色彩の品種です。
緑に見えると言う謎の色彩!バブルガム
コーンスネークには緑を発色するためには欠かせない、青色の色彩がありません。
ところが、このバブルガムは、目の錯覚なのかなんなのか…黄緑色っぽい色を醸し出しています。
複数のコンボを成立させて作るレア品種のため、いない時にはまったく見かけない品種です。
レア品種であることに加え、一つの完成形なためか、コーンにしては高額になります。
各種品種の値段
コーンスネークも流通量によって値段が変動する生き物です。
ノーマルやアルビノなど定番種であれば、5000円前後を基準にサイズとその時の流通量で変動します。
それ以外の品種は10000円前後~30000円程度が基準となります。
ぱっと見で綺麗!とか、なんじゃこれは!と思える品種は、そうした基準値をぶっちぎる事も少なくなく、確実に高いです。
大きくなると綺麗さや希少さ以上に、育てる大変さが加わっておりますので、アダルトサイズは定番種でもやや高くなります。
繁殖を意識している場合なら、アダルトサイズの完成された色彩が解らないと困る面もありますが、そうでなければ、子ヘビの段階から購入する事をお勧めいたします。
まとめ
コーンスネークの基本的な品種についてはこんな所でしょうか?
基本的と言いつつ、タンジェリンやバブルガムなど、一部にレア種が混じってしまいましたが、コーンスネークはこの色彩に加え、モトレーやストライプなど、色彩プラス模様の変化で品種名が付けられている事がほとんどです。
(例・アネリモトレー等)
今回紹介した品種は基本も基本。
しかも色彩の変化のみに絞った解説です。
ここからさらなるコンボに繋げるための入口にすぎません。
現在ではこれらの品種でも、濃い薄い、有る無しなどでかなり細分化され、とてもじゃないけど全ては解説しきれません…
さらにそこに模様の変化も加えた品種もカウントするとなると、もう、なにがなんだかわからない奴も多いですw
コーンは、ノーマルの地色からして既に色彩が豊富なヘビなので、カリキンやレオパを圧倒する品種量なのです。
その分、選べる楽しさは折り紙付きなので、コーンを飼うとなったら、各種ショップの画像をはしごして、まずはお目当ての品種を見つける事から始めてみる事をお勧めします。
と言うのも、綺麗な個体であればあるほど、1点物で再現性のない品種だったり、ショップが独自の品種名をつけてしまったりする事も多いので、品種名での検索が困難なのです。
有名爬虫類店の過去画像などは量も多く、最も頼りになるものの一つですので、是非とも参考にしてみてください。
この記事が少しでもお役に立てたのなら幸いです。