幻のツチノコの正体と言われることもあるアオジタトカゲ。
長い胴体に短い手足というずんぐりむっくりな見た目で人気を集め、
日本では1970年頃から飼育され始めたと言われています。
今ではペットリザードとしてすっかりメジャーな種となり、
アオジタトカゲの飼育を考えている方も多いのではないでしょうか?
世界中のブリーダーによる品種改良も進み、
「アザン」「キャラメル」「アルビノ」「パターンレス」など様々な品種も作出されていますね。
今回はそんなアオジタトカゲの生態と飼育方法について解説していきます。
アオジタトカゲを詳しく知る
アオジタトカゲはトカゲ科アオジタトカゲ属に分類されるトカゲで、
ペットとしてもっとも優れた適性を持っているとも言える大型のスキンクです。
アオジタトカゲの生息地
アオジタトカゲは太平洋に浮かぶ島々に生息するトカゲです。
主にインドネシアやオーストラリアなど、南半球の暖かい地域に生息しています。
アオジタトカゲの生態
名前の由来ともなった青い舌が特徴です。
主に森林に生息し、多湿すぎる場所は好みません。
雑食性で、自然化では虫や小型の哺乳類、野菜や果物を食べています。
好き嫌いはあるもののわりと何にでも餌付きやすいので、
飼育下ではリクガメやフトアゴヒゲトカゲなど雑食性のための人工飼料が万能と言えるでしょう。
交尾はそれほど難しくないと言われていますが、
胎生のため産卵するヘビやレオパに比べて母体の状態に気を使ってやりましょう。
アオジタトカゲの大きさ
アオジタトカゲは産地により大きさが大きく異なりますが、
キメラアオジタトカゲなど小さいものでおよそ50cm程、
メラウケアオジタトカゲなど大きくなるものでおよそ70cm程になります。
アオジタトカゲの寿命
飼育下では10年~20年と長い付き合いができるトカゲです。
爬虫類の中でも丈夫な方に分類される種ですので、
病気にだけ気を付けていればそこまで神経質にならずとも長生きしてくれます。
アオジタトカゲの飼育方法
アオジタトカゲの飼育に必要なものは、
- 90cm規格以上のケージ(ガラス、木製、衣装ケースなど)
- 床材(ハスクチップ、ペットシーツ、ヤシガラ、人工芝など)
- 身体が全部浸かれる大きさの水入れ
- パネルヒーター
- バスキングライト
- 紫外線ライト(弱いもの)
- シェルター(無くても可)
これがあれば十分と言えます。
ケージについて
たまに60cmケージでアオジタトカゲを飼っている人を見かけますが、
筆者はアダルトサイズのアオジタトカゲには十分ではないと思います。
アオジタトカゲには床面積が重要であり、高さはそれほど必要ではありません。
ベビー~ヤング時期であれば構いませんが、アダルトになればかなり窮屈になりますので、
最低でも90*45くらいのケージを用意してやりましょう。
紫外線ライトの有無
紫外線ライトの有無は飼育者によって諸説ありますが、
昼行性のトカゲのアオジタトカゲには必須ではないかと私は思います…。
紫外線によってカルシウムが吸収され体内に入るため、
紫外線に当たらないことによりカルシウムが吸収されずクル病になりやすくなります。
一度クル病になった個体は完治は不可能ですので、紫外線ライトは惜しまずつけたほうがいいでしょう。
温度と湿度管理
アオジタトカゲのケージには他の爬虫類と同じく温度勾配が必要になります。
バスキングスポットと暑い時に逃げれる涼しい場所を作りましょう。
温度は
- 高いところで35度前後
- 低いところで25度前後
- 夜間は20度程度
を保ちます。
アオジタトカゲは昼行性なので、
夜間は涼しくしてやることで昼と夜のバランスが付きやすくなります。
フトアゴヒゲトカゲなどの砂漠帯トカゲほどではないですが、
アオジタトカゲも乾燥帯に住むトカゲですので、湿度は25~50%くらいが適正と言われています。
水入れと湿度
水入れは必ず全身が浸かれる大きめの物を用意しましょう。
アオジタトカゲは大抵の場合水に浸かる事で脱皮の準備をしますので、
水入れが小さいと脱皮不全になる可能性が高くなります。
また、大きめの水入れを設置することでケージ内の湿度が上がりやすくなります。
ちなみに我が家では小さめの個体にはタッパー、
ヤング~アダルトの個体にはホームセンターなどで売っているコンテナを使用しています。
アオジタトカゲの餌
アオジタの餌は、主に野菜、昆虫類、果物や肉が推奨されています。
果物は糖分が多く肥満の原因にもなりますので、
おやつ程度やほんの添える程度と考えた方が無難です。
野菜は小松菜、水菜、加熱したカボチャや人参などをバランスよく与えましょう。
ミックスベジタブルを与える場合は、
コーンとグリーンピースの皮は取り除いてから食べさせることをおすすめします。
我が家のアオジタはコーンを消化できないまま排便しました…w
果物はリンゴ、キウイ、バナナ、メロン、マンゴー、いちごなど、なんでも幅広く与えましょう。
多くのアオジタは甘いものが好きなのか、
バナナや適度に熟したキウイをよく食べる印象があります。
爬虫類用のゼリーでも甘い香りのものが多く、
我が家のアオジタには水分補給を兼ねてたまのおやつに与えています(*^^*)
なんでもよく食べるアオジタトカゲですが、やはり個体により好き嫌いがありますので、
バランスを考えるとリクガメフードやフトアゴフードなど、
雑食性爬虫類のための人工飼料も多く発売されていますので、
それを使用するのも有用です。
ピンクマウスやヒナウズラ
などもよく食べますが、
アダルトサイズになると肥満になりやすくなるので、
幼体の頃からコオロギやデュビア、ワームなどの昆虫を食べる癖をつけておくといいでしょう。
★爬虫類の餌 フタホシコオロギ&イエコオロギの繁殖や管理の仕方
アオジタトカゲはザ・雑食で比較的好き嫌いもなくよく食べるので、
ヘビを飼っている方は冷凍マウスの残飯処理班として飼育を考えている方も多いようですw
我が家のアオジタ飯
今回は我が家のキタベビーが食べているご飯も紹介しようと思います(*^^*)
こちらは
- ミックスベジタブル(皮を取り除き半ペーストにしたもの)
- りんご(ペースト)
- リクガメフード
- 冷凍クロコオロギ
上記の物にレプラーゼ(爬虫類の整腸剤のようなもの)と
カルシウムパウダーを添加したごはんです。
この他にもピンクマウスやウェット状のキャットフードなども与えています。
うちでは主にキウイやバナナを与えていますが、
どの子も喜んで食べてくれます(^^)
キャットフードやドッグフードはビタミン、リン成分が入っているものがあります。
ビタミンやリンは過剰摂取するとアオジタトカゲの身体によくありませんので、
なるべくお肉100%のものを選びましょう!
カルシウム成分入りのものを与える場合はカルシウムパウダーをかけないなど、
成分を見てこちらで調節していくことが大切です。
アオジタトカゲの価格
アオジタトカゲは
- 現地から採取してきたWC(ワイルドコート)
- 現地のファームと呼ばれるストック用の場所で繁殖されたFH(ファームハッチ)
- 飼育下で繁殖されたCB(キャプティブブレッド)
多くの場合この三種類が販売されています。
WC、FHの個体は安価かついろいろなショップで見かけます。
購入する際はダニや寄生虫がいないかショップの人に確認することをお勧めします。
ダニや寄生虫のついている個体を持ち込んでしまうと、
駆虫の手間はもちろんのこと、
他の生き物も飼育している場合蔓延することになりかねません。
WC個体を迎えた場合は、直ぐに動物病院で健康診断や検便検査をした方がいいでしょう。
価格は5000円~30000円ほどで流通しています。
CBの個体は飼育下で繁殖されており一番安心と言えます。
人の手で繁殖されているため飼育下の環境に順応しやすく、人慣れしている個体が多いです。
アオジタトカゲのCB個体は安価ではあまり流通しておらず、
およそ30000円~50000円ほどで流通しています。
希少なモルフのものだと十数万円から数十万円で取引されています。
入手方法
一昔前までは爬虫類専門ショップでないと見かけませんでしたが、
最近では大型ペットショップやホームセンターの一角でも見かけるようになりました。
爬虫類販売イベントなどでは、
ショップ価格より比較的安価で販売されていることもありますので、
アオジタトカゲの飼育を検討されている方はいろんなショップやイベントを
見て回ってみるのもいいと思います(^^)/
まとめ
- ケージはなるべく大きいものを与えてあげよう
- 野菜多めでバランスのいい食事を心がけるのが吉
- 流通が増え比較的入手しやすい
- 初期設備さえきちんと整えればあとはそんなに手のかからない中型ペットリザード
長くなりましたが、まとめるとこんなところでしょうか。
アオジタトカゲは近年世界中のブリーダーの手により品種も増え、
流通しやすくなったこともありじわじわと人気が広がっています。
丈夫で比較的飼育もしやすいので、ペットリザートとして大変お勧めできるトカゲです^^
手足が短く、
と突っ込みたくなるような
寸胴体型も本当にかわいらしくて見ていて飽きません。
ぜひ、アオジタトカゲの飼育に挑戦してみてくださいね^^/